水路を建築の動脈ととらえる 大塚雅之

建築デザインというと意匠に目が向きがちですが、私は学生時代から、建築全体を大きなシステムだと考えていました。なかでも給・排水システムは建築の動脈。「水」を自由に操る技術を磨けば、暮らしはもっと自由に、豊かになる。私が「給・排水システム」を研究テーマに選んだのは、そんな想いからです。

超高層建築が一般化してきた近年は、キッチンやトイレなど、水回りを中心とするメーカーからの相談を多く受けるようになりました。優れた製品開発力を誇るメーカーでも、超高層建築の「給・排水システム」は未知の領域。製品の性能を100%発揮させ、安全で快適な生活を支えるためには、給・排水管へ過度の負荷をかけない設計や、給・排水管内の圧力や流れを調整するシステムが欠かせないからです。関東学院大学には、建物全体が建築設備の実験室となる設備工学研究所があり、そこに高層建築を想定した実験ができる地上27mのシミュレーションタワーが併設されていることも、産学協同に弾みが付いた大きな理由です。

いま、私の研究室での取り組みで佳境を迎えているのは、来春開業予定の日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市)に導入される高さ300mの建物でのディスポーザシステムの性能評価。研究室の学生たちも、実測・検証に参加し、実学の現場でいきいきと研究に取り組んでいます。

※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。

大塚 雅之

関東学院大学
建築・環境学部教授
大沢記念建設設備工学研究所長


 


 








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