関東学院大学では、10月28日(水)に横浜市中区のワークピア横浜で、神奈川県内の自治体の首長らが参加するシンポジウム「人口減少社会と自治体」を開催しました。日本創生会議が昨年発表した「2040年までに、全国で896の自治体が消滅する可能性がある」とするレポートを受けて、すでに三浦半島や県西部で人口減少の課題に直面している地元・神奈川を事例に、わが国の社会に必要とされる具体的な施策のあり方を議論しました。

第1部では、基調講演として国立社会保障・人口問題研究所の森田朗所長が登壇し、人口学の観点からわが国の今後の人口推移の予測を提示。長期的に人口減少がつづく状況を説明しながら「これまでの発想を捨てて、新しい国のあり方、新しい社会の仕組みをゼロベースで考えていかなければならない。そういう時代に入りつつあります」などと語りました。

第2部では、人口増に成功している事例紹介として、開成町の露木順一前町長が登壇。開成町は県西部に立地し、県内で最も面積の小さい自治体でありながら、現在も人口増加が続いています。露木前町長は、地元の歴史を再評価する取り組みや、財源確保のための先進的な研究所の誘致、将来の子育てへの投資として小学校新設などの事例を紹介するとともに、個々の市町村単位のみでの政策展開に留まらず、河川の流域を単位とした複数の市町村による連携など「オール神奈川」での取り組みの必要性を提案。「行政側が『どうしてもやる』という姿勢を示したことが重要です。行政のリーダーシップがあって、住民の町づくりへの意欲が高まっていったというのが実感です」などと開成町の状況を説明しました。

第3部のパネルシスカッションには、行政側の代表として、小田原市の加藤憲一市長と川崎市の福田紀彦市長が登壇。また、地域経済の活性化を担う地域金融機関の代表として、横須賀市に本店を置く湘南信用金庫の石渡卓理事長が参加しました。加藤市長は現在取り組んでいる多くの施策を紹介するとともに「人口の減少は不可避ではありますが、必ずしも好ましくないことではないという思いもあります。国土資源の適正利用という観点からも、適正な人口規模に向かっているところだと考えれば、違った景色が見えてくるのでは」などと現状を分析。福田市長は「税金を吸収してばら撒くというのは、持続可能な取り組みではありません。新たなマーケットをつくって、雇用を生まなければ持続可能な地方創生はあり得ません。生産地と消費地を繋ぐことが、あるべき地方創生のあり方だろうと思っています」などと、地方創生というキーワードに対する思いを語りました。また、石渡理事長は「湘南信金では、お年寄りの安否確認をしながら、買い物が困難になった皆さんからご用聞きをして、商店街の皆さんがデリバリーをするという取り組みを行っています。これが増えてくると新たなビジネスをつくる機会にもなります」などと、地域社会における金融機関の取り組みを紹介しました。コーディネーターを務めた法学部の出石稔教授(地方自治)は「大学も、地域創生に大きな役割を果たさなければならないと思っています。ぜひ地域の皆さんに活用してもらえる存在になっていかなければ」と語り、シンポジウムを締めくくりました。

会場には、行政関係者を中心に200名近くが来場し、テーマへの関心の高さがうかがえました。関東学院大学では、今後も社会が直面する課題に対して、大学の知を活用した取り組みを実施していきます。


森田朗国立社会保障・人口問題研究所所長


露木順一前開成町町長

パネルディスカッションの模様

来場者で埋め尽くされた会場

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