※御茶ノ水(東京都文京区)にある自身の作品
でもあるギャラリー「gallery IHA」にて


波頭きらめくヨットでの記憶が、
私の建築の原点です。

冬の終わり、沖に黒潮の流れが黒い線になって見える。すると春一番が吹く。私は子どもの頃からずっと、海辺で体験した「自然」をテーマに建築を考えてきました。意外に思われるかも知れませんが、学生時代は本牧のヨットハーバーへ通う毎日でした。陽焼けして、年中真っ黒。近くの造船所を訪ねてはバルサ材で船の模型を製作したり、船の設計を手伝ったり。そもそも私が関東学院大学に入学した理由の一つが、当時、女性のヨット乗りを県が育成していたからです。もちろん、建築の構造学をやりたいという熱意はありましたけど。

3年生の時、船の模型づくりが奏功したのか、建築の学生会議に提出された住宅模型が1等賞に。これを機に、建築家の菊竹清訓氏の事務所に呼ばれ、東大卒の建築家の卵たちに囲まれながら、寝食を忘れて仕事に明け暮れました。その間も「自然」に対する思い入れは変わらず、公共建築から一般住宅まで、「自然」に包まれるような優しさをコンセプトに創作を続けています。


【時代の常識を打ち破る女性建築家】
工学部建築学科に在籍していた女性は4~5名。建築は女性がやることではない、と言われていた。同期生たちがフランク・ロイド・ライトやル・コルビジェを研究する中、フィンランドのアルバ・アールトに傾倒。当地まで氏に逢いにも行っている。現在も創作意欲は旺盛で、山梨県のフルーツミュージアムでは、世界で初めて、造船技術では一般的だった溶接による構造設計を考案。これまでの常識をくつがえし続けている。


<プロフィール>
Itsuko Hasegawa
関東学院大学工学部建築学科卒。建築家 菊竹清訓氏に師事。1979年より長谷川逸子・建築計画工房(株)を主宰。2001~12年まで関東学院大学工学部客員教授や非常勤講師を担当。日本芸術院賞を受賞。『長谷川逸子・デザインスタジオ2004』(関東学院大学出版会)他、著書多数。


※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです



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