※研究対象である伝統的な玩具や、
雑誌が飾られた研究室にて

無意味でありふれたモノこそ、
多くを語ってくれる。

70年代に女性の間で刺繍などが流行りましたが、大量生産の時代になぜ手作りに執着するのかが疑問でした。調査の結果、女性は社会進出を閉ざすと、生産性を求めない傾向があることを発見。すると今度は、不必要なスペックを追求する男性のものづくりも気になり、人はなぜ大量生産と対極にあるものを求めるのかという「趣味のジェンダー化」の研究に発展しました。

 元々雑貨や服が好き。街歩きで、近代の合理主義から外れた変わったモノを探して過ごしてきました。大学院でも、デザインと大衆の趣味の関係という、当時は珍しかったテーマを選択。研究として成立するか担当教員も不安そうでしたが、最後に「研究分野を確立したね」と言われたことが、今の私の支えです。デザイン史では無視されがちですが、名もない大量生産品もなかなか雄弁です。小さなタグや包装用の紙箱からも時代を切り取ることができますから。こうした事象をデザインの問題として取り上げることが、私の研究であり信念です。


【近代日本のデザイン史から大衆消費文化を読み解く】
人々の心理や社会背景がどうつながり合って、モノや文化が形成されていくのか。その分析へのアプローチの一つとして、初期の百貨店において、中間層がどのように消費に取り込まれていったのかに着目。「趣味の大衆化」や「こども用品の開発」などのキーワードで解き明かしている。


<プロフィール>
Yuki Jinno
青山学院大学文学部卒。1994年筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。近代日本のデザイン史から、少女文化、カフェ文化など現代日本を象徴する事象まで幅広く考察。著書は『百貨店で〈趣味〉を買う』『子どもをめぐるデザインと近代』ほか多数。


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※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。

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