市民を支えるシビル・エンジニアリング 規矩 大義

1987年、千葉県東方沖地震で目の当たりにした東京の液状化。「これは大変なことになる。なんとかしなければ」という想いが、当時はまだ漠然と土木を学んでいた学生の私が「地盤防災工学」の道へ進む契機になりました。

以来、30年近くに及ぶ研究者生活を通じて、私は一貫して地震災害の予測や対策技術の開発に「防災」という観点から携わってきました。液状化予測の解析ソフトや宅地・河川堤防の液状化対策など、開発した技術や工法が、安全な暮らしを支えてきたという自負もありました。しかし、東日本大震災を前にしたとき、それは思い上がりだと気づきました。もっと安全なまちづくりのために、さらにレベルアップしなければと、決意を新たにしています。

震災を経験して、ただひとつよかったと思うのは、これまで開発した技術や情報をオープンにし、業界全体で共有してきたことです。復興の現場で、ロイヤリティを気にせず新しい技術や工法が使えることで地域の安全性が高まっていくなら、それに勝る喜びはありません。技術は使われてはじめて、人の役に立つ。だからどんどん使ってもらおう。それが土木的発想です。

英語では、土木をシビル・エンジニアリング、「市民工学」と呼びます。私たちの研究は、まさに市民生活を支える学問。社会から必要とされ、人のためになることが、私たちの喜びであり、誇りです。「人になれ 奉仕せよ」という校訓を持つ本学に土木・都市防災コースがあり、シビル・エンジニアを志す多くの男女が巣立っていることは、きっと偶然ではありません。

※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。

規矩 大義

関東学院大学
理工学部
土木・都市防災コース 教授

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