社会関係資本で、地域を活性化させる 籠谷 和弘

日本では今、アベノミクスによる経済成長が期待されていますが、地域経済は、相変わらず疲弊したままです。地域に活力を取り戻すために何は必要なのか。私は「社会関係資本」-道路や水道などの「社会資本」ではなく、地域社会における人々の信頼関係や結びつき-をうまく使うことで持続的発展のモデルがつくれないかと考えています。

その検証のために、温泉旅館の経営者たちのマインドを調査・分析したことがあります。その結果、血縁を軸にした排他的な「結束型」の施設よりも、異質な人や組織とのつながりがある「橋渡し型」の施設の方が経営状態がよいという傾向が浮かび上がってきました。地域活性化の成功事例とされるB級グルメやゆるキャラ、ご当地アイドルなどの流行も「橋渡し型」の社会関係資本がうまく機能している好例です。

地方をドライブしていると、路上で野菜や果実の無人販売が行われているのを目にします。あれは日本ならではの商習慣。日本の根っこには、最大の社会関係資本である「信頼」が残っている。そこに地域の持続的発展のヒントがあるような気がします。

フェイスブックなどのSNSを活用して、地域に眠る才能や観光資源を発掘したり、絆を強くする動きが各地で起こり始めています。NPOやボランティアの存在感も日に日に大きくなってきました。そんな中で、活性化の触媒として、あるいは拠点として、大学になにができるか、私にはどんな貢献ができるか。きょうも考え巡らせています。

※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。

籠谷 和弘

関東学院大学
法学部法学科 教授

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