相川翔子さん・杉本海夢さん・玉置明日美さん
人間環境学部健康栄養学科2013年卒

2013年3月に関東学院大学を卒業した3人の学生が卒業論文でまとめた「溶けないアイスクリーム」の開発。この研究成果を元にした製品が食品メーカーより発売されました。

「卒論では介護食の開発がしたい」。臨床栄養学が専門の松崎政三教授のゼミに所属していた、健康栄養学科4年(当時)の相川翔子さん、杉本海夢さん、玉置明日美さんの3人が病院などで介護食としても提供可能な溶けないアイスクリームの開発に取り組み始めたのは2012年5月のこと。松崎教授の「アイスクリームは栄養価が高く、食物が誤って気管に入ってしまう誤嚥を起こしにくいので介護食に向いている。ただ、同時に配膳される病院等での提供は不向き」という言葉にヒントを得てのことでした。

相川さんは「最初は固めることに主眼をおいて、豆腐、麩、片栗粉や増粘剤など、さまざまな食材を加えて作りましたが、食感をはじめ、理想とは程遠いものでした」と振り返ります。試行錯誤を重ねた後、アイスクリームに加える材料を寒天とゼラチンに絞りこんだのは夏休みの頃。そこから寒天とゼラチンの分量と投入するタイミングを変えながら製造、試食、溶解時間の計測、収集データの分析を繰り返す日々を経て、卒論の提出が迫る10月下旬、ようやく溶けないアイスクリームが完成。

「アイスクリームは皆が知っているデザート。いかにアイスクリームの食感や口どけを保ったまま2時間溶けないようにするか、また、厚生労働省が示している介護食の基準にも適合させる必要があり、苦労しました」と話す玉置さんは「病院の管理栄養士さんや入院患者さんに試食してもらったのですが、患者さんから『アイスを久しぶりに食べたよ、おいしいね』と言われたときは本当に嬉しかったです」と笑顔を見せます。指導にあたった松崎教授は「管理栄養士国家試験の受験勉強の傍ら、あきらめることなく、よくやり遂げました。作りたいという強い思いが形になったのだと思います」と3人を評価します。

2013年1月には3人の卒業論文の成果をもとに製品化の話が持ち上がり、改良を重ねた後、8月に「溶けないアイス風デザート」としてヤヨイサンフーズより発売されました。発売開始以降、病院や介護施設を中心に約40万食が提供され、味や食感だけでなく食事の介助もしやすいと好評です。現在、病院で管理栄養士として働く相川さんは「この商品を食べて一人でも多くの人が笑顔になってほしいです」、また、飲料メーカーに勤務する玉置さんは「病院や介護施設だけでなく、自宅で生活している高齢者の方へも手が届くようになってほしいです」とそれぞれ今後への期待を話します。

 

※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。

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