森島 牧人

国際文化学部
比較文化学科
教授

基本情報

森島 牧人

専門分野 組織神学、キリスト教文化、キリスト教史、サービスラーニング
研究テーマ プロテスタンティズムと近代化
プロテスタント非国教主義セクトの展開
ヘブライズムの東アジアへの影響
サービス・ラーニングの理論と実践
最終学歴 東京神学大学大学院神学研究科組織神学専攻博士課程 退学
学位 神学修士
研究キーワード 宗教改革運動 再洗礼派
ピューリタニズム バプテスト派
キリスト教の東漸 異文化理解
国際サービス・ラーニング

キリスト教の現代的意義を見出す。

私の父は牧師で、また関東学院や幾つかのキリスト教学校の教育に携わっていたこともあって、キリスト教は幼い頃から私の身近なものでした。私がバプテスマ(洗礼)を受けクリスチャンになったのは、高校二年生のクリスマスでした。その頃は理工系の大学に進学しようと思っていました。しかし現役での大学進学を果たせない中、最終的には神学大学への進学を決断し、卒業後牧師になる道が開かれ、今日までこの世界を進んできました。

私は、キリスト教文化や思想、およびその歴史について学びを進めてきました。特に、キリスト教の今日的な意義を、歴史の中から掘り起こそうとする研究です。宗教改革運動にまつわる歴史研究もその一つです。16世紀に、当時のカトリック教会に対して不満を持ったルター、ツヴィングリやカルヴァンなどがヨーロッパで宗教改革を起こし、プロテスタントと呼ばれる教会が生まれます。当初のプロテスタンティズムは、彼らの働きにより宗教改革の原理、「信仰義認」・「聖書主義」・「万人祭司」等の確立に重要な成果を挙げました。しかし、ヨーロッパの近代化に欠かせない教会観(教会の在り方)においては、ヨーロッパの中世的要素としての国教主義を排除できないままでした。つまり、宗教が統治者の権力と密接に結びついていたのです。その後、17世紀になると、英国のピューリタンの中から非国教主義セクトと呼ばれるグループが誕生します。関東学院の創設に関わった人々は、その流れにありました。それは、アメリカの北部バプテストから派遣された宣教師達でした。彼らは、教会(宗教)は統治者の力によってではなく、個人の良心に基づく「信仰告白」により形成されるものであると信じたのです。欧米社会はこうした考え方を基にし、近代化を進めていきました。私は、当時のキリスト教界の社会構造を掘り起こしていくことから、今日の現代社会が抱えている困難な問題に対応するキリスト教のあるべき姿が見えてくるはずだと考えて取り組んでおります。

主要業績

    (著書)
  • 共著『比較文化をいかに学ぶか[増補改訂版]』関東学院大学文学部比較文化学科編 明石書店 2009年
  • (論文)
  • 単著「宗教改革とバプテストの信仰」北星学園大学『自然環境とキリスト教』2010年
  • 単著「キリスト教社会主義運動と社会的福音」関東学院大学文学部『紀要』第119号 2010年
  • 共著「中国・雲南省におけるプロテスタント・キリスト教 -西双版納少数民族居住地における教団の歴史的変遷と現状」(共著)関東学院大学キリスト教と文化研究所『所報』第11号 2013年
  • 共著「中国陜西省西安市における活動報告書 -共同研究契約締結と景教研究」関東学院大学キリスト教と文化研究所『所報』第13号 2015年

キリスト教的な価値観を学び、西洋の思想を感じてほしい。

ミッションスクールとは、欧米の教会から派遣された宣教師により、キリスト教宣教のために創立された学校のことです。しかし、今日では、キリスト教(主義)学校と呼ばれています。その歴史と伝統を持ちながらも、当初の目的であった伝道が必ずしも学校の第一義的役割ではないと考えられています。しかしながら、学生たちにはキリスト教的価値観の中にある普遍的な部分に触れる経験をしてほしいと願っています。そのことは、キリスト教という宗教をバックボーンに持つ西洋社会の思想を、より良く理解することにつながっていくと信じるからです。

また、私のゼミナールでは、異文化を体験する学びを大切にしています。毎年夏には、アメリカで3週間の合宿をします。アメリカは、建国当時ヨーロッパ各地から逃れてきたプロテスタントによってつくられた合衆国です。特に、東部のペンシルバニア州のフィラデルフィアは、アメリカ建国の精神によって独立宣言、合衆国憲法がつくられた重要な都市です。その地名も「友愛」を意味する聖書の言葉がもとになっています。もちろん、フィラデルフィアだけでなく、ボストン・ニューヨーク・ワシントンD.C.などの東部の都市を中心にし、南部・西部・ハワイ諸島等をも訪ね、各地で生活している人々と具体的に触れ合うことで、日本とは異なる文化の存在に気づいてほしいと願っています。毎年、こうした国際化教育と呼ばれる方法を取り入れながら、学生の教育に取り組んでいます。

担当科目

  • 合同ゼミナール
  • 異文化理解入門
  • 卒業論文
  • 基礎ゼミナール
  • 総合講座(建学の精神を学ぶ)
  • 総合講座(ボランティア論)
  • ゼミナール
  • キリスト教と現代
  • 日本文化演習(思想)
  • 比較日本文化特殊研究(キリスト教史)

お互いを理解し合うこと。

関東学院大学では、サービス・ラーニングと呼ばれる活動が、90年代はじめから脈々と続いています。タイの少数民族(カレン族、アカ族)が暮らす山岳地帯を訪ね、現地の人々とともに過ごしながら、村人と共に出来るさまざまな奉仕活動に取り組んできました。主なものとしては、各村でコミュニティーの中心となるシェルター兼教会堂の建設、子ども寮建設、浄化槽設置、コーヒー苗の植えつけなどを実施しています。

これらの活動は、個人の研究(異文化理解と奉仕教育)としてだけではなく、学生と共に取り組んできました。それは、学生たちが相手を理解するだけではなく、相手に自分自身を理解してもらうことにもチャレンジしてほしいと願っているからです。お互いを理解し合うことは、簡単なようで難しいことです。こうした体験を通じて人間力を身につけ、関東学院の校訓「人になれ 奉仕せよ」を体現できる人になってほしいと願っています。

取材・原稿作成 関東学院大学広報室