新岡 智

経済学部
経済学科
教授

基本情報

新岡 智

専門分野 アメリカ経済論、国際政治経済学
研究テーマ グローバリゼーション
最終学歴 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程満期退学
学位 博士(経済学)
研究キーワード グローバリゼーション アメリカ経済
国際経済 日米関係 TPP

国際経済の中で、アメリカの存在を認識し、自国の政策を考える。

実は大学時代は農学部(農業経済専攻)でした。正直に言えば、農学というものに目的意識があったわけではなかったですし、単位を取るのにも苦労するような学生で、実際留年もしました。ただ、農業経済学を担当しながらも実際は経済理論しか教えていない先生がいて、その先生の授業がおもしろく、加えてその先生に随分とかわいがってもらいました。また社会科学研究会というサークルに入っていたのですが、そこでの活動を通して、先輩や同級生から多くの刺激を受け、社会や経済のことに興味を持つようになっていきました。それで、もう少し勉強してみようと、大学院に進学し、財政学のゼミに入りました。修士論文の執筆にあたり、アメリカの軍事費を研究テーマにしたのがアメリカ経済に注目するきっかけでした。 アメリカという国はGDPも世界で断トツのトップで、政治的な影響力も強い国です。そこには、先進的な科学技術や、豊富なエネルギー資源という要因もあります。BRICsと呼ばれる新興国が注目を受けていますが、技術力や資源を背景にしたアメリカという国が、今後も世界経済の中心であり続けると思います。話題になっているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)も、もともとは4カ国でのスタートでした。そこにアメリカが参画したことで、他の国々にも大きな影響を与えるものになっていきました。日本が世界経済の中で戦うことを考えるときに、このアメリカという大きな存在を意識しないでは、有効な経済政策を立案することはできません。

アメリカの経済を扱っていると、アメリカの行動を正当化する考え方に陥りがちです。確かに、アメリカの政治的、経済的、学問的影響力は絶大ですが、アメリカという国を相対化することも必要です。絶えず批判的な視点を持ちながら、この国の動向を見守らなければならないと考えています。

主要業績

    (著書)
  • (単著)『戦後アメリカ政府と経済変動』日本経済評論社 2002年11月
  • (共著)『国際経済政策論』有斐閣 2005年8月
  • (共著)『国際経済関係の焦点-揺れる覇権と通貨-』同文舘出版 2007年10月
  • (共著)『国際財政論』有斐閣 2010年8月 
  • (その他)
  • (科学研究費補助金)「持続可能な発展の重層的ガバナンス」研究分担者 2006年度~2011年度 特定領域研究

授業はわかりやすく、学生の反応をうかがいながら。

「授業はわかりやすく」と常に意識しています。学生が理解できないことを話すだけの授業では、教員の自己満足になってしまいます。120人ほどの学生が受講している授業でも、私は教室を歩きまわって、学生に「これについてはどう思うかな?」というように、ドンドン指してていくようにして、学生の反応や理解度を気にしながら、講義を進めています。他にも、経済問題を扱う新聞記事を要約してもらうときも、ただ文章を作るのではなく、イメージ図を描いてもらったりしています。その方が、その問題に対する理解は進むと思いますから。

学生たちは、卒業すれば社会の重要な一員になっていきます。経済学を学ぶということは、ただ単にお金の流れを学ぶことではなく、社会の仕組みや動きを理解することです。そうすることで、社会人としての判断力を身につけることができます。学問とは読んで字のごとく「問を学ぶこと」です。大学で問題を探求し解決する方法を探ることで、思考のベースが身につくと思っています。

何かにこだわりを持った学生と一緒に学びたいですね。素直な学生ももちろんよいのですが、将来、社会に出て戦っていく人たちですから、少し尖がった部分も持っていてほしいですね。

担当科目

  • 経済学入門
  • アメリカ経済論
  • アメリカ経済論特殊講義
  • 演習(アメリカ経済論)
  • アメリカ経済論特殊研究
  • 基礎ゼミナール
  • プレゼミナール
  • ゼミナール
  • グローバリゼーションの経済学

学生のニーズと社会のニーズをつなげていく。

経済社会の変化のスピードが速く、私たち経済学者の研究のスピードが対象に必ずしも追いついていないということは言えると思います。企業や民間のシンクタンクなどの方が、圧倒的な情報量で、政策提言や意思決定をしています。しかし、私たちが大学で研究を続けるということは、新たな物事の見方や考え方を、大学人らしいやり方で学生や社会に提供することであり、それはそれでとても重要な役割だと思っています。

研究の成果は、書籍の形にまとめて出版することが多いですね。私の研究自体が、国際社会で活躍する企業への提言や、政府の政策立案などに必ずしも直結しているわけではありません。それでも社会のニーズがどこにあるかは常に意識して研究していますし、また学生のニーズがどこにあるのかも常に意識しています。大学というフィールドで仕事をする人間として、両者のニーズをつなげていくことに、面白さと新たな発見があると思っています。

取材・原稿作成 関東学院大学広報室