望月 正光

経済学部
経済学科
教授

基本情報

望月 正光

専門分野 財政学
研究テーマ 公債負担問題
公的部門のストック分析
所得課税ベース研究
サード・セクター研究
最終学歴 東京都立大学大学院社会科学研究科博士過程単位習得退学
学位 博士(経済学)
研究キーワード 財政 税 付加価値税 地方消費税

公平で効率的な税の仕組みを考える。

「社会にはお金で買えない大切な部分がある」恩師から聞いたこの言葉は、私が財政学という学問にのめり込んだ理由の一つです。経済の世界で、お金で買えない部分を担うのは政府や自治体なんですね。

政府や自治体の財政を支えるのは、我々が支払う税金です。税は公平で公正に徴収することが重要です。そして、所得が多い人が多く、少ない人が少なく負担するというのも税の基本的な考え方です。しかし、残念なことに、日本でもその部分は完璧とは言えません。「964問題」という言葉に代表されるように、働き方によって本来納めなければならない税が納められていない、あるいはその逆も現実の問題としてあるんです。また、少子高齢化や経済の低成長などの課題と向き合っている現代社会で、これまでの税制のあり方もターニングポイントを迎えているのだと思います。

安全で安心な暮らしができる日本は、行政のサービスが成功してきた社会だということを示すものでもあります。その安全安心を失わないために、税のあり方を今一度見直すべきなのではないでしょうか。戦後、所得税中心の租税の仕組みが作られてきました。しかし、私は消費税などに代表される付加価値税の重要性は増しているのだと考えています。公平で効率的な税のあり方。この絶対的な基本を指針に、海外の税制のあり方なども調査しながら、税のあり方について研究を進めています。

主要業績

    【著書】
  • (単著)『公債と政府部門のストック分析-新SNAからみた累積公債』白桃書房 1997年
  • (共編著)『第三セクター:再生への指針』東洋経済新報社 2007年
  • (共著)『所得税の実証分析-基幹税の再生を目指して-』日本経済評論社 2010年
  • (共著)『地方消費税の経済学』有斐閣 2010年
  • (共編著)『財政学(第四版)』創成社 2015年

楽しく学んでほしい。

現在の課題と向き合うには、理論や歴史、政策についての知識が必要です。これらのことを"今"学ばなければならないんだと気づいてほしいんですね。それに気づけば、学生たちは自ら主体的に学んでいくようになります。そのためには、学ぶことが楽しいと感じていなければダメですよね。私たち教員の側も、楽しいと思っていないと学生が興味を示してくれる授業なんてできませんよ。教えることって、難しいけど楽しいことだと思って長年教壇に立ち続けています。

「楽しくなければ、ゼミじゃない」が信条。だから、ゼミ生を募集するときには何の制約も設けていません。というのも、出身や考え方も違うさまざまな学生がいることで、彼ら自身が刺激を受けていくんですね。そうすると、自然と学生同士で教えあう環境が生まれていきます。いろいろな人が集まって、課題に取り組んでいく。これは、会社で働くときも同じですよね。

学生たちには、ポジティブに人生を送ってほしいんです。そのためには、嫌いなことにも苦手なことにも挑戦してほしい。食べ物だって、実際に自分で食べるまで美味しいか不味いかなんてわかりません。人生だって一緒。やってみたら楽しかった、自分に合っていたなんてことにたくさん出会えるはずです。

担当科目

  • 基礎ゼミナール
  • プレゼミナール
  • ゼミナール
  • 財政学
  • 財政学特論
  • 財政学特殊講義
  • 法人税法
  • 演習(財政理論)
  • 財政理論特殊研究
  • 演習

学識経験者として、行政の中で役割を果たす。

長年研究活動を続ける中で、政府や都道府県、市町村など、さまざまな行政組織から声をかけていただくようになりました。例えば、総務省では地方消費税のあり方について検討する委員や、神奈川県では首長の給与を検討する部会などに関わらせてもらいました。こうしたところに関わることができることは、取り組んでいる研究の内容を具体化できる貴重な仕事だと思っています。

具体的なところでは、2009年度からスタートしている「横浜みどり税」という制度があります。横浜市は環境保全などを目的に、この制度を導入しました。他の地域と比べても、先進的な取り組みです。横浜市民には、住民税に900円上乗せされているはずです。この制度の導入時には、私も関わったプランが横浜市に提案され、市議会の議決を経てスタートしました。

こうした取り組みに関わるときに大切にしていることは、特定の人の利益を考えないこと。できるだけすべての人が納得してもらえる理由を説明できる政策を提言することが大切です。それが、継続できる政策に欠かせないことだと信じるからです。

取材・原稿作成 関東学院大学広報室