銭 飛

理工学部
理工学科電気学系
教授

基本情報

銭 飛

専門分野 情報学 情報学基礎 計算機システム・ネットワーク
研究テーマ 大規模並列分散システム
最終学歴 千葉大学大学院自然科学研究科博士後期課程 修了
学位 学術博士(Ph.D)
研究キーワード 計算機システム 多次元ネットワーク 
大規模並列分散システム

ネットワークは平面から多次元へ。

1984年に、大学院進学のために来日しました。その年は、JUNETという日本で最初の学術用ネットワークがスタートした年です。大学院時代に、このネットワークのプロジェクトに参加して以来、ネットワークに関わる研究に携わってきました。

従来のネットワークは、地球上を平面的につないでいるイメージでした。しかし、これからは多次元ネットワークの時代です。平面に縦軸が加わるようになりました。地上の上を飛ぶ飛行機。さらにその上の宇宙空間にある衛星や惑星とネットワークをつないでいくというイメージです。これを、よりスムースに通信していくための研究を進めています。何らかの攻撃や障害に対して耐性を持ったネットワークでなければなりませんからね。

私はこうした技術を実用化するため、いまある課題をクリアするための研究を行っています。研究方法はシミュレーションが中心ですが、デモンストレーションとしては、小型のヘリコプターなどを飛ばしてデータ通信をしながら、空中と地上のデバイスを連携させながらデータの収集などを行うこともあります。今は、空中との通信だけではなく、水中との通信も必要になってきています。

これまでは、空中や水中には人が行くことができませんから、データの収集は難しかったです。しかし、これからはネットワークを利用して、データを収集することができるようになります。こうした技術は、さまざまなところで活用されることが予測されています。例えば、水中でのデータ収集の精度があがれば、津波の予測もさらに正確になるはずです。

主要業績

    (著書)
  • 『1.ns3によるネットワークシミュレーション』単著 2014年1月 森北出版
  • 『2.ネットワーク符号化の基礎』単著 2015年5月 森北出版
  • (学術論文)
  • 「強化学習による複数のメトリックを考慮したQoS ルーティングアルゴリズム』」共著 2010年7月 電気学会論文誌C,Vol.130,No.7,pp.1198-12062.
  • 「Adaptive Routing Algorithm for Network Load Balancing」共著 2011年9月 IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering,Vol.6, No.5, pp.441-449,2011.
  • (その他)
  • 「Congestion Control of HighSpeed TCP Using the Partial Collaborative Learning Automaton Team Mode」共著 2015年7月 Proceedings of SICE Annual Conference 2015, pp.300-305, 2015.

調べ方を身につけて卒業してほしい。

いろいろなタイプの学生がいます。ですから、研究室に学生を迎えたときには、まずその学生がどんなタイプの学生なのかを見極めるようにしています。方向性を示してあげれば、自分で突き進んでいく学生もいますし、上手に褒めてあげないといけない学生もいますからね。最近は、打たれ強いタイプの学生が以前に比べれば少なくなっているかなという気もしています。

電気系を選ぶ学生の中には、コンピュータが嫌いという学生もいます。私は、電気学系に所属していますが情報分野に近い専門分野ですから、少しさみしくもあります。情報系の学問分野は、もともと電気の分野から派生してきた分野ですからね。ですから、研究室を選択する学生には、できるだけ自由度の高いテーマを選んでもらうようにします。例えば、ある学生は、大規模データセンターの省電力化問題に関わるテーマを設定して学んでいました。計算ジョブを処理しない計算機を稼働させるのではなく、待機状態にして省電力化できないかということです。そのためには、どんなアルゴリズムが必要か考えてもらいました。グリーンコンピューティングシステムと呼ばれる手法ですね。

やはり、一緒に学んでいく学生はやる気のある学生であってほしいです。いままで勉強ができたとかできないとかではなく、“今”やる気があるかどうかが大事なんです。やる気のある学生は、これからどんどん伸びていくことができるんです。そして、社会に出るときには自信を持っていてほしいです。問題を解決するために手段を用意できること。そして、手段がわからないときにはどうやってその手段を探せばいいのかが分かるような人であってほしいと思っています。学生時代に調べ方を身につけてほしいです。テキストは世の中にたくさんあります。それを上手く使える人になってほしい。ゼミのときにも、その点を意識してディスカッションをするようにしています。

担当科目

  • フレッシャーズセミナ
  • フレッシャーズプロジェクト
  • 卒業研究
  • 基本情報処理
  • 計算機構成論
  • ネットワークアーキテクチャ
  • 電気電子情報実験
  • 電気電子情報応用実験
  • 情報システム工学研究
  • 情報システム工学特殊研究
  • 大規模分散システム構成論特殊講義
  • 理工学概論
  • 卒業研究基礎
  • 並列分散システム工学特論
  • ネットワーク演習
  • 文献研究
  • 研究実験

未来のネットワークに寄与できれば。

私がネットワークの研究に取り組み始めた頃は、まだまだこの分野で博士号をとる人が少ない時代でした。企業に内定をもらっていたんですが、恩師と話す中で、研究者の道を進むことに決めたのです。大学院を修了した後は、広島にある大学に着任しました。その頃ちょうど、アジア大会が広島で開催されることになっていました。アジア各国から来日する報道関係者が利用するプレスセンターのネットワークの構築を担当したりしましたね。

私が取り組んでいる研究テーマは、将来の社会で役に立つことがあればいいと思っています将来といっても、10年あるいは20年後の未来です。20年後の未来に、充実したネットワーク環境が多くの人のために使われていると信じて研究に取り組んでいます。