元木 誠

理工学部
理工学科情報学系
教授

基本情報

元木 誠

専門分野 人間情報学、電気電子工学
研究テーマ 統合的最適化を用いた自律移動ロボットのコントローラ構築/二足歩行ロボットの機械学習による自律行動の獲得/パルスニューラルネットワークによる車輪型移動ロボットの制御 など
最終学歴 千葉大学大学院自然科学研究科博士後期課程 修了
学位 博士(工学)
研究キーワード 人型ロボット 二足歩行 人工知能
ニューラルネットワーク(人工神経回路網)

賢いロボットを開発する。

父がエンジニアだったことも影響したのでしょうか。小さい時から、ラジオやミシンなどを分解して、もう一度組み直すといったことをよくやっていましたし、中学生くらいになるとコンピュータで、プログラミングをするようになっていました。そういうこともあって、コンピュータで学習能力のある人工知能をつくってみたいと思い、進学先に地元の工業高等専門学校の電気科を選びました。この高専時代には、NHKのロボコンにも参加しました。

今の研究を一言で言えば「ロボットを賢くすること」ですね。生物の脳の神経回路で処理していることを、数学的に表した上で、ロボットに組み込んでいきます。人工神経回路網と呼ばれるものです。生物は、外敵から身を守るために、敵がいることを学習して行動するようになりますが、ロボットも学習することでスムーズな動作を身につけられるようになる。あるいは、学習することで、計画的に行動できるようになります。

私はコンピュータでシミュレーションした人工知能を、実際の人型ロボットに載せて実験していきます。人工神経回路網はシミュレーションを主として研究している方が多いですが、ロボットの実機を使用することで起こるアクシデントなど、シミュレーションではわからないこと、実機ならではの課題を研究しています。人型ロボットを利用することは、親しみやすいということもありますが、人と同じ環境で作業できるようになるので、ロボットのために場所や道具を用意しなくて済むというメリットもあるんです。人型ロボットは、今後、介護やエンターテイメントなど、人とのコミュニケーションを必要とする場で、活用されていくのではないでしょうか。

主要業績

    【論文】
  • (共著)「相互作用と適応化を考慮したクラスタ構造型Particle Swarm Optimization」『電気学会論文誌C,Vol.131-C, No.5』2011年
  • (共著)「RBFネットワークと遺伝的アルゴリズムによる自律移動ロボットコントローラの構築」『電気学会論文誌C,Vol.131-C, No.5』2011年
  • (共著)「機械学習技術の基礎と応用『4.4 階層型強化学習を用いた二足歩行ロボットの行動最適化』,『4.5 学習オートマトンによる人型ロボットのモーション教示方法』」『電気学会技術報告 No.1273』2013年
  • (単著)「特集:ここまできたマシンラーニング~医療からアミューズメントまで~『機械学習で賢いロボットをつくる』」『電気学会誌Vol.133,No.6』2013年
  • (単著)「特集:分野を超えたものづくりと教育-組込みシステム開発教育のためのロボットチャレンジー『ロボットチャレンジ課題を用いた機械学習応用教育』」『情報処理学会誌Vol.56,No.1』2015年

学生は研究のパートナー。

ロボットでいうところの入力(センサーの部分)と出力(モーターなどの動く部分)の技術は、電気・電子コースでも健康・スポーツ計測コースでも基本的な技術として重要なところなんですね。例えば、入力部分の技術を学べる電気・電子計測という科目では、計測したデータをどう処理するか、電気を使って距離や重さのような物理量をどう計測するかなど、基本的な技術を身につけてもらえればと思っています。その他にも、ロボットを制御するためのプログラミングの指導も行っています。

研究室の学生は、私にとって教える教わるの関係ではなく、研究のパートナーだと思って接しています。お互いに、わからないこと、やってもらいたいことを、対等な関係で言い合える仲でありたいと思っています。ですので、卒業研究などのテーマも、自由に決めてもらえればと思っています。 学生たちは、教員が言ったことに反論してもいいと思うんです。言われたことだけをやっていても、なぜやらなければならないのか、本当に自分がやりたいことは何か、といったことは見えてこないじゃないですか。自発的に行動することで、自由な発想ができるし、オリジナリティのあるものを作り上げることができるんだと考えています。

担当科目

  • フレッシャーズセミナ
  • フレッシャーズプロジェクト
  • 電気・電子計測
  • ロボティクス概論
  • 電気電子基礎プログラミング
  • 電気電子プログラミング
  • ロボットプログラミング
  • ロボットシミュレーション
  • 電気電子情報基礎実験
  • 応用ロボットプロジェクト
  • 理工学概論
  • 卒業研究
  • 組込みシステム・ロボット学特論
  • 情報システム工学研究
  • 文献研究
  • 研究実験
  • 知能機械システム特殊講義

応用可能なロボットのシステム。

卒業した学生たちが、大学で学んだことを役立てられるようになってもらうことも、私にとって社会貢献だと思っています。

また、自分の研究内容を他大学ともコラボレーションしながら、ロボット技術者の教育活動に広く提供しています。ロボットコンテストなどを開催することで、ロボット技術者のスキル向上につながれば。ロボットコンテストなどの開催には、企業の方たちにも協力していただいていますので、活発に情報交換も行っています。

ロボットに使用される技術というのは、必ずしもロボットのためだけにあるわけではありません。小さなハードウェアとソフトウェアで構成される電子機器システム、いわゆる組込みシステムにもロボットの技術が用いられています。この組込みシステムは、他のさまざまな工業製品に応用可能なのです。家電製品もそうですし、今私の手元にあるスマートフォンも、自動車もこうした技術の応用で動いています。ロボットを学んだ人が、日本の多くの技術を下支えしていくのだと信じています。

取材・原稿作成 関東学院大学広報室