前田 直樹

理工学部
理工学科土木学系
教授

基本情報

前田 直樹

専門分野 地球科学
研究テーマ 地震・間欠泉などの現象の解明、地表付近における地震動の性質について
最終学歴 京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得満期退学
学位 理学修士
研究キーワード 地震動、常時微動、地盤構造、地盤振動特性、地震活動

多くの観測データから、地震が発生したときの地盤への影響を想定する。

1973年に発表された小松左京氏のSF小説「日本沈没」に影響を受けました。当時、私は中学生でしたが、「プレートテクトニクス」という、地球の表面は大きな硬い何枚かの岩盤(プレート)で構成されていて、このプレートが海溝に沈み込む力で地震や火山噴火が起こるという考えに感銘を受けました。「どういう力で地震が起こっているのか」ということをテーマとして研究をするきっかけとなった小説です。
学生時代は、兵庫県南東部から大阪府北部、京都府南西部、滋賀県西部に広がる山地に多く発生している小さな地震について、研究を重ねました。密に配置された地震計のデータを用い、震源の精密決定や、地震を起こした力や断層面の方向に関する情報をもつ発震機構の決定をして、地震活動の空間的あるいは時間的な性質について調べていました。大きな地震の発生は回数が少ないですが、小さな地震は多数発生します。そのような小さな地震の活動を調べることにより、大きな地震の活動のシミュレーションとして使えないかという発想です。
現在は、さまざまな場所で常時微動の観測を行い、地盤の揺れ方についての研究を行っています。常時微動というのは、地面が体に感じない程度にいつも揺れている振動のことです。この揺れを調べると、地震が発生した際にどのように揺れるのかをおおよそ想定することができます。現在は、横浜・金沢八景キャンパス内を始めとして、三浦半島の臨海部で細かく測定をし、その解析をすることによって、地震の揺れがどのようになるか、地表付近の地盤の影響についてなど、実際に地震が起こったときの被害について推測できるようなところまで持っていけたらと思っています。

主要業績

    【学術論文】
  • (共著)「三浦半島における車中からの放射線量測定」『関東学院大学工学総合研究所報』2012年
  • (共著)「On the dynamic characteristics of subsurface structure at a university campus located at a seaside area」『Proc. of 15th World Conference on Earthquake Engineering』 2012年

学生には、自分で考えて行動し、どんどん提案をしてほしい。

研究テーマは地震学ですが、授業では地球科学関連科目も担当しています。地球の形、テクトニクス、地震、火山、大気、海洋といった地球に関することがら、太陽系、銀河系、宇宙といった天文学に関する基礎的な知識についての授業をしています。授業では、「演習用紙」を配布し、授業終了前の5~10分で今日の授業のまとめと、授業の内容に関する質問を書いてもらいます。自分で学んだことの振り返りとその中から出てきた疑問を次の授業で応えるようにしています。中には思いがけない質問が出てきて面白いですね。
自然についての知見を得るためには、まず自然を知るということが第一歩となります。そのためには、いろいろなセンサーを用いて、自然現象の観測をするということが必要となります。理工学の分野の学生は、将来、自分の専門の分野を生かして、自然を知るための観測を行うことがあるかもしれませんね。
研究室の学生とは、微動計を持って、一緒に計測に出かけます。一緒に計測を行うことにより、そのノウハウを伝えられますから。学生には、言われたことを言われた通りにやるだけではなく、自分から考えて動いてほしいですね。こういうかたちでやりたいと、どんどん提案をしてほしい。将来、自分で道を切り拓いていけるような、そんな人物に成長してほしいと思っています。

担当科目

  • 環境地球科学
  • 地学総論
  • 地学実験
  • 応用地球物理学
  • フレッシャーズセミナ
  • フレッシャーズプロジェクト
  • 都市防災実験
  • シビルデザイン実験
  • 卒業研究基礎
  • 卒業研究
  • 天文学
  • 地震学特論
  • 地震工学特論
  • 地盤・防災工学研究
  • 文献研究
  • 研究実験(研究演習実験)
  • 地震工学特殊講義

企業との共同企画で学生が中心となって、防災教室を実施。

理工学部では、サイエンス・コミュニケーション活動を行っています。この活動では、学生たちが中心となり、中学生や高校生に向けて、防災関連の体験を行っています。それらイベントの企画、実施の支援を行っています。例えば、企業との共同の企画ですが、中学校に行って、「避難所の仕切りづくり」と「緊急時の簡易トイレの使い方」などを実際に学生たちがレクチャーしました。新聞紙を利用したスリッパづくり、ダンボールを組み立ててつくった一畳ほどの仕切りをつくって実際に中に入ってみる体験や、マンホールを利用したトイレを使う際の注意点など、実際に避難所での生活を体験することで、地域の防災意識の向上につなげていけたらと思っています。
このような活動の回数を増やすために近隣の小中学校に向けてのポスター作成や新メニューを開発しているところです。



取材・原稿作成 関東学院大学広報課