高橋 健太郎

理工学部
理工学科電気学系
准教授

基本情報

高橋 健太郎

専門分野 バイオメカニクス、筋生理学
研究テーマ 身体運動の力学的解析、神経筋の作用機序
最終学歴 横浜国立大学教育学研究科 修士(教育学)
日本体育大学大学院体育科学研究科  博士(体育科学)
学位 博士(体育科学)
研究キーワード スポーツバイオメカニクス、脳波、筋電図、モーションキャプチャ

これからの社会に貢献する道を新たな分野から築きたい。

私の研究はバイオメカニクスです。バイオメカニクスとは、生物がどのようにして動くのか、どのように力が働くのかを研究する学問です。例えば、動物だと体がどのように動き、植物だと芽がどのように生えて成長するのか、そういった流れを、人間の体だとどうかを力学的見解で調べています。
人間の身体は、脳からの指示が筋肉に伝わり、筋肉が収縮して関節運動を起こすことで動いていますが、その一連の流れを筋電図や脳波計を使用して研究しています。動きを観察するために、モーションキャプチャという、被写体の動きを一つ一つ撮影して記録する技術を用いて、動きが見えるようにして、そこから、この動きだと、角度は何度で、速度や動力はこれくらいというようにデータを取っています。これら筋電図や脳波計、モーションキャプチャを複合して研究をしています。
今行っているのは、日本剣道形の技術を定量化する取り組みです。剣道形試験での合否判定は、審査員が選手の動きをみて合格か否かを決め、合格基準は審査員の主観的判断で、明確な基準がありません。そこで、選手の動きや生体信号から定量化できないか研究をしています。このような客観的視点から定量化ができれば、指導法に役立つのではないかと考えています。
これから、日本は高齢社会になり、また、現在2020年の東京オリンピックに向けて「健康、スポーツ」が注目されて、スポーツ分野でのコーチングもずっと多様化が進むと考えられます。その中で、サイエンス的な部分で貢献ができれば、と思っています。現在はバーチャルリアリティなどを使用して、トップアスリートのトレーニングや高齢者のリハビリを行うといった、工学的分野からのアプローチが進んでいます。そういった部分でも、新たなアプローチができればと考えています。そうして将来、高齢者、運動をする子どもたち、トップアスリートたちへの貢献に繋がればと思って取り組んでいます。

主要業績

    【著書】
  • (単著)4・5段に合格する剣道昇段審査 弱点克服トレーニング、メイツ出版、2017年
  • 【学術論文】
  • (共著)Enhancement of gamma-range EEG/EMG synchronization during a kendo formpractice, ISB2017 Proceedings, 987-988, 2017
  • (共著)運動習慣を持つ高齢者の歩行解析、体育研究50号、33-40、2017
  • (共著)日本剣道形の動作中における筋電位及び脳波の解析、体育研究50号、23-32、2017
  • (共著)Comparison of EEG during motion in real space and virtual reality, ICBME2016, Singapore, 442-443, 2016
  • (共著)Is it possible to estimate a kendo dan grade based on observations of afrontal practice swing?, WBC2014, IFMBE31,186-189, 2014

一つのことから、より多くのことを見出せる人になってほしい。

学生たちには、実験を通して学びを深めてもらっています。文献のみでなく、自分たちでデータを出して、データから読み取る技術を身につけてもらうように指導しています。測定器具自体触るのが初めての学生もいますが、実験実習でそれらについてまずは学んでもらい、研究室に配属してからは、自らデータを取ってそこから自分自身の見解を出してもらっています。ですので、関係性は、グループのなかのリーダー的役割でしょうか。教員と学生ですが、仲間でもあり、一員ですね。
いつも学生に言っているのですが、一つの結果に対して、一つのことしか考えられないのではなく、一つの結果から、3つも4つも解答を見つけ出せる人になってもらいたいと思っています。それが、就職してから仕事を行う上での応用力に繋がると思っています。様々なことに間口を広げて、より多くのことを考えられる人になってほしいですね。
そこからも言えるのですが、失敗体験を多くしている学生は一緒に学んでいて面白いと思います。例えば、試合で負けた。負けたという結果のみを見るのではなく、何故負けたのか、どうすれば次は勝てるのか、そういった考えを多く見つけてほしいです。たくさんの失敗から、何故失敗したのかなど改善方法を深く考えることができるので、成功に導く方法も考えられると思うのです。様々なことを大学で学んでほしいと思います。

担当科目

  • 解剖生理学Ⅰ、Ⅱ
  • 健康スポーツ科学実技Ⅰ、Ⅱ
  • バイオメカニクス特論Ⅰ、Ⅱ
  • 健康・人間医工学研究Ⅰ、Ⅱ
  • フレッシャーズセミナ
  • 理工学概論
  • フレッシャーズプロジェクト
  • コーチング科学
  • 卒業研究基礎
  • 卒業研究Ⅰ、Ⅱ
  • 武道指導論Ⅰ、Ⅱ
  • 運動生理学
  • 健康スポーツ計測実験Ⅰ、Ⅱ
  • 文献研究ⅠA、ⅡA、ⅠB、ⅡB
  • 研究実験ⅠA、ⅡA、ⅠB、ⅡB

スポーツを通じて研究が浸透し、より良い社会に繋がれば。

日本オリンピック委員会強化コーチングスタッフや、全日本剣道連盟において、強化訓練コーチをしています。トップアスリートのトレーニングなどの指導を主に行っています。このように、トップアスリート選手と接する時間が多いので、トップアスリートたちがどういった考え方をしているのか、どういった動きをしているのかなど、私を通じて学生に伝わるようにしています。トップアスリート選手と接することは、自分にもメリットとなっていますし、学生にもとても有意義なものを提供できているのではないかと思っています。
今、2020年東京オリンピックに向け「スポーツ」という言葉が、世の中でキーワードになっていると思います。日本的な体育やスポーツへの考え方が変わってきている段階なのではないでしょうか。従来まで、仕事でも学校などでも受験勉強などが重要視され、多くの子どもたちは勉強ができて当たり前という風潮があり、体育の重要性よりも勉強の重要性が勝っていたように思います。しかし、現在では、仕事や勉強を行う上でも、それをやりぬく体力や体幹の力が重要ではないか、との考えが指摘されています。スポーツが社会を直接良くするという形ではないですが、間接的に、また文化的側面として根付いていくのではないかと期待しています。その中で、私の行っているような研究が注目されることによって、スポーツ選手のみではなく、高齢者や未来の子どもたちのより良い生活へ貢献できれば、とても嬉しく思います。



取材・原稿作成 関東学院大学広報課