関東学院に連なり、そこで生き、学ぶとき、校訓「人になれ 奉仕せよ」という言葉に誰しも何度も出会うことでしょう。その根底である土台はイエス・キリストであり、聖書を通して示される真理であります。キリスト教人間学インスティテュート(以下、ICH)というプログラムは、その学び全体を通して学生一人ひとりが自身の存在における尊さの意味や根拠を問い直し、多様な価値観を有する他者と共に生きる意志や知恵を内実化させつつ社会に仕える姿勢を養うために設置されました。
ICHはキリスト教への入信を強要する場ではありません。また、いわゆる「牧師」等のキリスト教会に仕える教役者を養成する機関でもありません。自分自身の専門分野における学びを大切にしながら、更に人間と世界を深く理解するためのキリスト教関連諸科目を修得することにより、その専門領域への理解をより豊かにすることを、ICHのプログラムは目指しています。
キリスト教関連科目と一口に言っても、その中には非常に多様な学問領域があります。聖書学やキリスト教の歴史の基礎に触れ、さらに専門の教員による「平和学」「宗教学」「死生学」などを学ぶことにより、受講する皆さんは若い日に新たな見識や「気づき」を得て、現代社会および何物にも代えがたく貴重な自分自身の人生へと踏み出していくことが可能となることでしょう。
「グローバル化」という言葉が強調されるようになって久しい今、真の意味で「多様性」「共生」という課題に対する知と感性を身に着けることは、これからの時代を担ってゆく人々に一層求められてゆきます。すべての学生に開かれたICHの学びの場で、皆さんをお待ちしています。






キリスト教の歴史と思想を概観し、聖書の思想及びキリスト教に関する基本知識を身につけるとともに、特にプロテスタンティズムが近代市民社会の形成に果たしてきた社会的・政治的・文化的意義について学びます。
各学部に設置されている一般教養科目の中から、ICHが指定する科目を選択し、履修。より広い視野からキリスト教を捉える力を醸成することを目指します。
キリスト教的人間観・価値観をさらに広く学ぶために、各学部で開講されている17科目に加え、ICH提供科目によって構成される以下の4科目から構成されます。ICH提供科目のうち、1科目は選択必修となります。
| キリスト教死生学 | キリスト教と心のケア |
| フィールドワーク1 (沖縄 平和研究) |
フィールドワーク2 (長崎・五島) |
人間とはいかなる存在であり、いかに生きるべき存在か。神学者やキリスト教思想家たちは、それらをどう説明しているか。知識の習得に留まらず、積極的に社会に貢献する心を培います。
聖書に基づくキリスト教の思想が提示する具体的な「生きる道」としての「倫理」について理解と思索を深めることを目指します。
平和と人権に関する現代の諸問題(紛争や対立、差別や貧困など)を取りあげ、キリスト教の観点から平和構築の思想と実践を探究します。
現代社会において、政治、社会の様々な領域、倫理的諸問題の中に溶け込むカタチで存在する世界の宗教文化を比較し、それらの営みを学的に理解することを目指します。
ICH提供の4科目のうち、2科目にフィールドワークを設定。希望者は、事前授業(座学)を受講した上で、3泊4日の日程で、沖縄、あるいは長崎を訪れ、現地調査や取材を通して課題解決を探究することが可能です。
甚大な戦争被害とその後の占領、米軍基地問題など、多くの課題を抱える沖縄を訪れることによって、平和について総合的に考え、平和を実現するための課題と方法を探究します。
日本におけるキリスト教の伝来と迫害の歴史を学び、日本の近代市民社会形成に向かってキリスト教の果たした役割や貢献を知ると共に、現代日本社会のあり方や歩むべき道等について広く考察を深めます。
宗教文化士とはなにか
「宗教文化士」とは、宗教文化教育推進センター(Center for Education in Religious Culture: CERC)が、キリスト教やイスラームといった世界に広がる宗教、また仏教や神道といった日本社会に深く根付いている宗教の歴史と現在の状況について、大学のカリキュラムを通して学ぶことで、広い視野と深い理解を持つ人に対して認定する資格です。
観光業、公的機関、学校などで宗教知識を活かす場面は今後ますます増加すると思われ、宗教文化士資格は重要な意味を持つようになります。
受験資格を得るためには
到達目標を達成して認定試験の受験資格を得るためには、下記の表に配置した科目のうち(1)(2)(3)から最低2単位(1科目)ずつを取得し、かつ全体で16単位(8科目)を取得する必要があります。
但し12単位(6科目)を取得していれば、残りの科目を履修中でも受験できます。大学2年の秋学期から受験が可能になり、卒業後2年以内まで受験資格は有効です。
なお、表にあるすべての科目は1科目2単位です。
| 到達目標 | (1)教えや儀礼、神話を含む宗教文化の意味について理解ができる。 | (2)キリスト教、イスラーム、ヒンドゥー教、仏教、神道などの宗教伝統の基本的な事実について、一定の知識を得ることができる。 | (3)現代人が直面する諸問題における宗教の役割について、公共の場で通用する見方ができる。 |
| 原則一年次に履修 | ー |
キリスト教学 | ー |
| 一年次から履修可能 |
宗教文化論 音楽とキリスト教※ 比較宗教学 キリスト教と欧米文化 キリスト教と近代日本文化 |
聖書の思想 イスラム社会※ キリスト教史 旧約聖書の思想 新約聖書の思想 キリスト教の成立 キリスト教の発展 日本神話の世界 |
キリスト教と現代 キリスト教と現代社会 キリスト教と現代思想 キリスト教と教育 キリスト教学(技術者としての倫理) |
| 二年次以降履修可能 | 宗教学 | ー |
キリスト教人間学1 キリスト教人間学2(倫理) キリスト教平和学 キリスト教死生学 キリスト教と心のケア 現代のキリスト教社会 |
チャプレンが、個別に受験のための相談に乗ります。
※学部によって、二年次以降履修可能科目となります。