プロジェクト

プロジェクト01 建築•環境学部 こずみのANNEX 家を拠点にこずみの地域をひとつの大家族にする。 プロジェクト01 建築•環境学部 こずみのANNEX 家を拠点にこずみの地域をひとつの大家族にする。

地域のシェアラウンジ×学生のシェアハウス地域のシェアラウンジ×学生のシェアハウス

建築・環境を学ぶ学生たちによる
「空き家改修プロジェクト」。
それが、「こずみのANNEX」です。
築50年の住宅を学生たち自らリノベーションし、
地域のシェアラウンジと学生のシェアハウスを
兼ね備えた場として地域に開放。
「離れ」という意味を持つANNEXのように、
誰もが気軽に立ち寄れる
「第2のリビング」を、
ここ小泉(こずみ)地域で育てていきます。

こずみのANNEXこずみのANNEX

1−1
Project Story①
「空き家を見学したその日に、
シェアハウスづくりを即決。」
1−2
Project Story②
「実験しながら暮らすから、
建築への理解が立体的になる。」
1−3
Project Story③
「ルールは0、活用方法は無限大。」
2−1
Project Interview 学生①
2−2
Project Interview 学生②
2−3
Project Interview 担当教員
2−4
Project Interview 企業担当者

Project StoryProject Story

Project Story Image1
空き家を見学したその日に、
シェアハウスづくりを即決。

建築・環境学部の酒谷准教授と妻で建築家の藤原さんが初めて空き家を訪れたのは2020年の秋。元々オーナーさんとは顔見知りで「空き家を何か活用できないか」と相談されたのがきっかけだった。2人は空き家を見た瞬間、「いろいろな人と一緒にこの場所を作り替えていくことが、地域に良い刺激を与えると同時に、学生たちにとって、他では得られない実験の場になるはず」と空き家改修プロジェクトを即決した。その次に空き家を訪れた際には解体作業がスタート。凄まじいスピード感でプロジェクトは進み、2021年4月から学生たちの入居も始まった。現在は3名の学生が住み、運営メンバーや地域の方々に支えられながら、こずみの地域に根ざした家づくりに邁進している。

Project Story Image2
実験しながら暮らすから、
建築への理解が立体的になる。

大学で学ぶ図面の描き方や建物の作り方が基礎の内容だとすると、「こずみのANNEX」で学べるのは実践の内容。壁を壊すにはどれだけ時間がかかるのか、改装する上でどんな道具が必要なのか、床からの冷気を抑えるにはどうすべきかなど直面する課題は様々。「学生たちが実際に住み、家を改修するためにコンクリートを割ったり、壁の内側に断熱材を入れたり、自ら挑戦するからこそ、想像に頼らないリアルな建築を学ぶことができている」と酒谷先生は話す。そして、共用スペースには日々、子どもから高齢者まで幅広い年齢層が集まる。学内では関われない地域の方々との時間が、建築を考える上で、学生たちの新しい視点や気づきにつながっていると教えてくれた。

Project Story Image3
ルールは0、
活用方法は無限大。

家を建てる「ハード面」だけでなく、建物を地域のために運用する「ソフト面」まで学べるのが、こずみのANNEXの特徴の一つ。例えば、共用部ではこれまでアロマセラピーや子どもを対象とした算数あそびのワークショップ、カフェ経営を夢見る学生が地域の方々にコーヒー提供を行うなど地域との関係を深めるために活用されてきた。「この場所をどう使うかは学生次第でルールは0。学生たちにはワークショップや地域の方々との交流の場としてどんどん活用して欲しい」と藤原さんは話す。こずみのANNEXは施設ではなく、自分の家のように自然と帰りたくなる場所であることが理想。その先で地域の方々と大家族のようにつながる。そんな空間を目指して、学生たちのプロジェクトはまだまだ続く。

Project InterviewProject Interview

1ミリ違うだけで、
窓枠はハマらない。

工学研究科 建築学専攻
博士前期課程2年 荒川 百花さん

※学年は取材撮影時のものです。

「こずみのANNEX」に住むようになり、一番実感しているのが図面とのギャップ。例えば、窓枠を図面に描く時は、太い線を1本で囲ってしまえば窓枠と表現できます。でも、実際の窓枠はそうはいきません。1ミリずれるだけでハマらないし、窓枠として機能しない。先生たちは経験上、それを理解しているからこそ、私が授業で描く図面を見て「これじゃダメだよ」と言っていたのだと気づけました。今では、自ら作る経験をしてきたからこそ、設計課題でもリアリティのある図面を描けるようになったと感じています。

工学研究科 建築学専攻
博士前期課程2年
荒川 百花さん

※学年は取材撮影時のものです。

工学研究科 建築学専攻
博士前期課程1年
飯濱​ 由樹さん

※学年は取材撮影時のものです。

まさかこんなにも、
建築にのめり込むとは
思っていなかった。

工学研究科 建築学専攻
博士前期課程1年 飯濱​ 由樹さん

※学年は取材撮影時のものです。

建築・環境学部に入ったけれど、のめり込めていない。それが数年前までの僕でした。そんな時に知ったのが「こずみのANNEX」。思い切って参加することで、今の自分の環境を変えたいと思いました。ここでの日々は毎日が刺激的。自分が住んでいるからこそ、家の課題が見つかる。まちづくりにも興味を持ち始める。この前も地域の方と話し合いながら、階段下スペースの活用策として本棚を提案。家を作りながら、建築も学べる。僕が建築にのめり込むには十分すぎる理由でした。

見守るよりも、
一緒に失敗する教員でありたい。

建築・環境学部 建築・環境学科
准教授 酒谷 粋将

初めてのことは誰でも不安。学生だってそうです。だからこそ、私が先陣を切るべきだと考えています。コンクリートを割る工具を買ったときには、学生が初めに取り組むのではなく、まず私が挑戦してみる。壁に穴をあけた時も、一番にハンマーを壁に叩きつけたのは私でした。一番やってはいけなさそうなことを私がやるからこそ、学生たちも失敗を恐れず挑戦してくれる。これからも、「こずみのANNEX」を活用しながら、地域と学生をつなげるために最前線に立ち続けたいと考えています。

建築・環境学部
建築・環境学科
准教授 酒谷 粋将

藤原酒谷設計事務所
代表 藤原 真名美さん

丁寧に、誠実に、
学生たちの姿が
成長を教えてくれる。

藤原酒谷設計事務所
代表 藤原 真名美さん

様々な世代のメンバーがいるからこそ、意見の相違もあります。例えば、高齢者の方に「スロープ」を作って欲しいと提案されたことがありました。その時に学生たちは「資金・面積的にスロープは作れないけど、支えが必要な時はみんなで協力し合いましょう」と自分たちの言葉で誠実に意見を伝えていました。利用者の意見にただ応えるのではなく、資金や技術的な側面にも配慮しながら、この場所のあるべき姿の全体像を見据えて自分たちで判断し、きちんとそれを自分の言葉で伝えること。それも、このプロジェクトで学生たちが得た力だと思っています。

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