人間共生学部では
環境問題を考えることの大切さを
世の中に届けていくために、
「生物多様性※」について考えて、
行動するプロジェクト
「トレイマット※デザインコンテスト」を
2021年に開始しました。
日本マクドナルド(株)と横浜市の
生物多様性に対する取り組みを
学生視点でトレイマットのデザインに落とし込み、
毎年発信しています。
※生物多様性とは、地球上の⽣命の繋がりを
表現した言葉で、
環境問題により⽣物多様性を
⼤きく損なう可能性があります。
※トレイマットとは、マクドナルドのトレイに衛生上的に
敷かれている紙のこと。
- 1−1
- Project Story①
「壮大な環境問題を、
身近な問題として捉え直す。」 - 1−2
- Project Story②
「そのデザインに、
課題を解決する力はあるのか。」 - 1−3
- Project Story③
「横浜市のマクドナルド全店舗に
積まれる自信作。」 - 2−1
- Project Interview 学生
- 2−2
- Project Interview 企業担当者
- 2−3
- Project Interview 担当教員
壮大な環境問題を、
身近な問題として捉え直す。
今年で4回目を迎える「トレイマットデザインコンテスト」。授業の核となるのが環境問題についての“理解”と“発信”。毎年4月からの授業では、日本マクドナルド(株)と横浜市が生物多様性の保全に対して、実際にどのような取り組みを行っているのかを聞くことからスタートする。例えば、日本マクドナルド(株)では、紙製の容器や包装紙類などの全てが、森林環境に配慮したFSC®認証の紙を使用。さらにMSC認証を取得し、フィレオフィッシュ®において海洋保全に配慮したスケソウダラを採用している。他にも自然環境と生態系の保護や保全のために、レインフォレスト・アライアンス認証を取得した農園で栽培されたコーヒー豆を調達している。これらの認証はサステナブル認証と呼ばれ、生物多様性に大きく貢献。身近な企業や自治体の取り組みを知ることで、学生たちは環境問題を考えることの大切さや未来の地球のためできることを“自分ごと”として学んでいく。
そのデザインに、
課題を解決する力はあるのか。
環境問題への理解を深めた後に待っているのが「発信」のステージ。学生たちはそれぞれ、日本マクドナルド(株)や横浜市が行っている環境への取り組みを届けるための、トレイマットデザインの制作に取り掛かる。ここで大事なのはデザインの巧みさではない。人の心を動かせられるアイデアが詰まっているかどうか。昨年の最優秀賞を受賞した小西さんの作品は、マクドナルドのポテトを線で見立てた“あみだくじ”がテーマ。辿った先でマクドナルドが取得している3つのサステナブル認証マークの説明に行きつく遊び心が満載の仕掛けとなっている。学生たちはデザインを考えると同時に「多くの方が環境問題に興味を持つためには…」と物事を客観的に見る力を身につける。
横浜市のマクドナルド全店舗に
積まれる自信作。
最終的に10作品程度がファイナリストに選ばれ、関東学院大学の夏のオープンキャンパスで掲出。一般投票をもとに最優秀賞が決定し、横浜市内のマクドナルド全店舗のトレイマットとして使用される。2021年度は約800投票だったところ、2024年度は約4,000投票を超えるなど、学内や地域からの注目度は年々上昇中。コンテストへの参加は授業履修者だけではなく、人間共生学部の2年生以上なら誰でも参加できる。たとえ1度目の挑戦で入賞を逃したとしても、翌年も挑戦できるところにプロジェクトの面白みがある。だからこそ、次こそはと学生たちは闘争心を燃やし、競い合うことでデザイン力や課題解決能力を向上させていく。そんな学部環境だからこそ、これまでの卒業生の就職先も多種多様だ。学生たちは4年間の中で、社会で役立つ思考力を培い、大学を巣立っていく。
人間共生学部
共生デザイン学科3年生
小西 愛音さん※学年は取材撮影時のものです。
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デザインで未来が変わり、
興味が拓けた。人間共生学部
共生デザイン学科3年生
小西 愛音さん※学年は取材撮影時のものです。
教育学部に入ろうと思い、参加していた関東学院大学のオープンキャンパス。そこで偶然目にしたのが「トレイマットデザインコンテスト」でした。元から絵に興味があったこともありますが、今のゼミの教授でもある佐々先生からプロジェクトに関する話を聞き、「私がやりたいのはこれだ!」と急遽進路を変更。まさに私にとってのターニングポイントだと思っています。それから入学し、2年生となり「トレイマットデザインコンテスト」にようやく参戦。授業では環境問題を考えることの大切さ、社会課題をデザインで解決することの難しさを実感しました。そんな私が「環境問題をわかりやすく楽しく伝えたい」と悩んで導き出したのが、“あみだくじ”のデザイン。最優秀賞の知らせを受けたときは夢かと思うほど嬉しかったです。今年も応募作がファイナリストに残っています。2連覇を目指しながら、また、これからもコンテストを通して、環境問題を考えることの大切さを届けていければと思っています。
環境問題を「自分ごと化」した
デザインの数々に
毎回、驚かされています。横浜市は「水とみどり豊かな自然環境や生物多様性の恵みを次世代につなげ、自然と人とが共生するまち」を目指しています。本プロジェクトを通じて、より多くの方が生物多様性の重要性を知り、エシカル消費※を実践するきっかけになることを期待しています。今年で4回目を迎えますが、学生たちは毎回、環境問題を「自分ごと化」したデザインで表現してくれています。作品のレベルも年々高まっていて驚かされます。今年は「横浜らしさ」をデザインに取り入れることをお願いしましたが、その意図もきちんと汲んでくれました。横浜市では2027年に「GREENxEXPO 2027」(2027年国際園芸博覧会) が開催されます。生物多様性は博覧会の重要なキーワードの1つです。今後とも産官学で協力しながら、自然と人とが共生する横浜市を目指し、発信していければと考えています。
※エシカル消費とは、環境や社会に配慮した商品を選んで買うこと。
横浜市みどり環境局
環境活動事業課
久保田 彩子さん
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ユニークなデザインと
出会えるのを、
毎年楽しみにしています。日本マクドナルド(株)
コミュニケーション&CR本部
サステナビリティ&ESG部
赤松 慎太郎さんこのプロジェクトに参加したきっかけは、日本マクドナルド(株)が長年実施してきたSDGSへの取り組みを、もっと多くの方に知ってもらい、より多くの皆様にとって環境問題などを主体的に考えるきっかけを作りたいという想いからです。今年で4回目を迎えましたが、これまで学生たちはユニークなデザインを多く応募してくれました。特に印象に残っているのは、昨年度の最優秀賞。ポテトをあみだくじに活用した作品です。親子で楽しめるマクドナルドの特性を十分に理解したデザインだと感心しました。今では学生の皆さんのお力添えもあり、社内のスタッフ、クルーのみならず我が社が掲げるSDGSへの取り組みも周知されてきていると感じます。今後は環境問題だけに留まらず、時世を鑑みながら、多種多様な社会課題を解決するためのプロジェクトとして継続できればと考えています。
日本マクドナルド(株)
コミュニケーション&CR本部
サステナビリティ&ESG部
赤松 慎太郎さん
人間共生学部
共生デザイン学科
教授 佐々 牧雄-
絵が得意でなくても大丈夫。
デザインの可能性を
広げる環境がここにはある。人間共生学部
共共生デザイン学科
教授 佐々 牧雄人間共生学部 共生デザイン学科では人、生物、環境のすべてが共に生きていける共生社会の実現をデザインの力で目指しています。デザインといっても幅が広く、どのように社会を良く変える仕組みを考えられるかということです。そのため、私たちの学科に入学する学生たちは絵を描くのが得意というよりも、ちょっとデザインに興味があるという学生が多いです。そんな学生たちが「トレイマットデザインコンテスト」に参加して、デザインのスキルに加えて、自分のアイデアを人に伝える力も上達していっているように感じます。今この瞬間、デザインに興味はあるけれど、私には無理だと諦めている方がいるとすれば、ぜひ人間共生学部 共生デザイン学科で挑戦し、デザインの可能性を伸ばしていって欲しいですね。