プロジェクト

プロジェクト06 社会学部 外国ルーツの若者の支援教室 外国人ルーツの若者への支援を通して視野を広め移民の抱える課題への理解を深める。 プロジェクト06 社会学部 外国ルーツの若者の支援教室 外国人ルーツの若者への支援を通して視野を広め移民の抱える課題への理解を深める。

関東学院大学×ABCジャパン関東学院大学×ABCジャパン

社会学部現代社会学科の学生たちは
都市社会の中に暮らす
外国ルーツの住民を支援するために、
NPO法人ABCジャパンが開設する
支援教室でのサポートを、
年間を通して実施しています。
学生たちは活動を通して文献の中にはない、
リアルな移民の人々の暮らしや悩みを
実感しています。

外国人ルーツの若者の支援教室

1−1
Project Story①
「移民問題の今を
知ることから始める。」
1−2
Project Story②
「信頼を築きながら、
外国人ルーツの子どもたちと向き合う。」
1−3
Project Story③
「子どもたちとの時間から、
学びへと発展させていく。」
2−1
Project Interview 学生①
2−1
Project Interview 学生②
2−2
Project Interview 企業担当者①
2−2
Project Interview 企業担当者②
2−3
Project Interview 担当教員

Project StoryProject Story

Project Story Image1
移民問題の今を
知ることから始める。

1・2年生の授業での座学やグループワークの中で移民に関する基礎知識の学びを深める。国が違えば、宗教や文化をはじめ、課題も様々。また大きな問題は言語。話すこともできない。読み書きができない。そのなかで例えば、移民の子どもたちが学校に通うのが難しかったり、暮らしに必要な様々な情報が得られないという問題も起こっている。学生たちはまずはそうした移民の現状をしっかりと学ぶことで、グローバル化が進む時代の中で「共に生きる社会」のために何が必要かを考えていく。

Project Story Image2
信頼関係を築きながら、
外国ルーツの子どもたちと向き合う。

3年生からは実際に街に出て、フィールドワークを実施。学生たちは外国ルーツの子どもたちの学習支援を行うNPO法人ABCジャパンにて、勉強を教えている。支援教室に訪れる子どもたちは年齢も国籍も様々。基本はマンツーマンで子どもたちと対話をしながら進めていく。学生たちは学習指導はもちろん、漫画やアニメなど日本のことを伝えたり、逆に子どもたちの国のことや暮らしの話を聞かせてもらったりしながら、机上ではなくリアルな一人の人として移民の子どもたちと向き合っていく。またこのプロジェクトは期間限定ではなく、長期間にわたり繰り返し何度も訪れる。信頼関係を築いていくことで、より深く移民たちを理解し、共生社会について考えるきっかけになっている。

Project Story Image3
子どもたちとの時間から、
学びへと発展させていく。

週に1度。学生によってはそれを1年以上も続けている学生もおり、その中で気づいた移民の抱える課題についてゼミ活動や卒論へと活かす学生も多い。例えば外国ルーツを持つ子どもたちの姿を自分の目と耳で感じ取ったことで、改めて文献を読んだときに、「この文献の分析にはジェンダーの視点が足りないのではないか」など新たな視点から見ることができるようになったり、教えている子どもが生まれ育った国の文化や言葉について調べてみたりなど、発展させていく。学生たちは基礎知識の学習とフィールドワークの経験を活かすことで、遠い国の話ではなく、自分たちが今暮らす共生社会においてこれから何ができるかを自ら気づき、卒業後の進路へとつなげている。

Project InterviewProject Interview

社会学部
現代社会学科4年生
角田 和維さん

※学年は取材撮影時のものです。

子どもたちと触れ合う中で
世界の人々へと
関心が広がった。

社会学部
現代社会学科4年生
角田 和維さん

※学年は取材撮影時のものです。

関東学院大学の社会学部に入学して、授業を受ける中で、地域社会や海外の人々に興味を持って藤浪ゼミに所属を決めました。本プロジェクトにはゼミを通して3年生の時から参加して、1年が経ちました。最初はブラジル人の子どもに教えているときに「どうしてこういう考え方なのだろう」と分からないことも多く、自分でブラジルの文化や言語について調べたりしながら、コミュニケーションをとっていきました。プロジェクトを通して思うのは、きっと日本人だけのコミュニティだけで暮らしていたら、こんなにも世界のことや移民のことを本当の意味で理解はできていなかったのではないかということ。現在は卒論で、父方の実家のある福島で暮らす外国人労働者について研究しています。インドネシアの方々が多いのですが、そもそもなぜ増えているのかなど、今までの経験をもとに地元に目を向けられたのも、実際にプロジェクトで移民の方々と触れ合うことができたからだと思います。

外国ルーツの人々は
特別な人でないと
気づくきっかけに。

社会学部
現代社会学科4年生
柳 真志さん

本プロジェクトを通して、実際に子どもたちと触れ合う中で気づいたのは、まだまだ移民の現状について知らなかったのだなということ。最近、メディアでも移民問題で治安の悪化などを目にすることも増えましたが、関わってみると日本にきて言語の壁はあるけれど高校進学を目指している子、部活をがんばっている子など、自分たちと変わらない暮らしをしているのだと改めて思いました。もともと関東学院大学の社会学部に入学を決めたのはフィールドワークが充実しており、現場でリアルな学びができるから。だからこそ本プロジェクトのように自分の体験を通して学べることは、すごくやりがいを感じます。今興味があるのは、本プロジェクトのような外国人支援について、支援を受けている子どもたち自身はどう思っているのかということ。どういう思いで通っていて、支援制度に満足しているのかなど、実際にインタビューしながらもっともっと現場の声を拾ってよりよいものにできればと考えています。

社会学部
現代社会学科4年生
柳 真志さん

NPO法人 ABCジャパン
理事長
安富祖 美智江さん

大学生たちが
子どもたちにとっての
夢と希望に。

NPO法人 ABCジャパン
理事長
安富祖 美智江さん

私がABCジャパンを立ち上げてから、移民の人々は増え続けています。一方で、子どもを持つ移民の人々は、進学をどうすればいいか、どこに頼ればいいか、そして子どもたちも日本人だけの学校では勉強についていけないなど課題は今でも多くあります。関東学院大学の学生のみなさんにはそんな外国ルーツの人々と触れ合う中で、現状を知ってもらうきっかけを得てもらえればいいなと思います。また支援教室に通う子どもたちにとっても学生の方々はとてもいい刺激になっています。自分たちの将来のロールモデルにもなりますし、日本のカルチャーを教えてもらったと評判です。移民への支援に終わりはありません。現在も支援教室の定員はいっぱいで、わざわざ遠いところから通う子どもたちもいます。継続して、末永く学生たちと連携しながら続けられればなと思います。

積極的に関わる姿勢が
私たちにとっても
大きな支えに。

NPO法人 ABCジャパン
コーディネーター
渡辺 裕美子さん

もともと支援教室に通っていた生徒が大学生や社会人になって、今度は先生として教えに来てくれる。そんな光景があるほど、このABCジャパンの支援教室は長く続いています。移民の間で広まった口コミを聞いて通われている方も多く、支援スタッフについても信頼できる方々にお願いするようにしています。その中で、関東学院大学の学生のみなさまは本当によく子どもたちと信頼関係を築いていらっしゃるなとうれしく思っています。また移民の抱える課題についても事前に勉強していただいたり、子どもたちのルーツについて自分で調べたりされているので心強いです。外国ルーツの人々の中には現在でも問題を抱えてらっしゃる方も多くいますので、本プロジェクトを通して、その目で見たこと、聞いたことを基にぜひ視野を広げていただければと思います。

NPO法人 ABCジャパン
コーディネーター
渡辺 裕美子さん

社会学部
現代社会学科
准教授 藤浪 海

知識と経験の両軸から
移民の抱える課題を
考えられるように。

社会学部
現代社会学科
准教授 藤浪 海

このプロジェクトは2021年からスタートしました。実はこのABCジャパンが行う支援教室には、私自身が大学生の時にボランティアとして参加していました。プロジェクト前には移民に関する理論やかれらをめぐる問題について学びを深めますが、現場に出た学生から多く声があがるのが「かれらは自分とは違う存在と思っていたけど、そんなことはなかった」ということ。もちろん実際にかれらが抱える課題は多くありますし、文献ではそうした側面が強調されているのですが、移民の人々も自分たちと同じように暮らしをしている。一見当たり前のようですが、自ら経験してはじめて感じとれるのは大きな意味があると思います。またこのプロジェクトのよいところは複数人が同じ現場で参加していること。同じ現場を見ていても、その感じ方は様々です。外国ルーツの子どもの問題について考えるときに、「あの子はこういうこと言っていたよね」「私はこういう風に考えていた」と議論をすることができる。座学をして、フィールドワークに行って終わりではなく、そこからどんどん発展させていくことができるのは、本プロジェクトの魅力ではないでしょうか。

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