関東学院大学を卒業・修了される皆さんへ 学長 規矩大義

 関東学院大学での学びを通して大きな成長を遂げられ、この日を迎えられた皆さんに、心よりお祝いの言葉を贈りたいと思います。卒業、修了おめでとうございます。

 本来であれば、入学式が挙行された同じ国立大ホールにて、皆さんに学位記をお渡しし、お祝いの言葉を伝えるはずでしたが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、皆さんにとって大切な卒業式・学位授与式を執り行うことができなかったことは本当に残念で、そして、申し訳なく思っています。

 4年前、私は入学式で皆さんに、「4年間は社会に出る直前の大切な期間だけど、決して就職の準備期間ではない。学ぶことの意義、学ぶことの楽しさを知り、教養と知性を身につける期間である。そして、それは一朝一夕に身につくものではないが、『学びたい』という真摯な気持ちに勝るものはない。その成果は必ず皆さんの表情に表れるものだ」そのようにお話しました。今、皆さんはどのような表情をされているでしょうか。

 私もまた、皆さんとの4年間を振り返っています。同じように学問を志し、講義だけでなく、ゼミや研究室での日々の活動など、多くの時間を共有してきた皆さんから、大学人として、研究者として、人生の先輩であるべき一社会人として、その行動や言動を通して、信頼を得ることができたのだろうか。学問に対する情熱を伝えることができたのだろうか。もっと率直に、「君たちと出会えてよかった」という気持ちを伝えることができたのだろうか。私自身、問い掛けています。

 皆さんは4月から社会人として新しいスタートを切ることになります。社会に出れば、様々な困難に直面するでしょう。自分を見失いそうになることもあるかもしれません。しかし、皆さんは本学で、単に知識や技術を得ただけではありません。愛のある言葉を聞き分ける心と、それを発してくれる友と、そっと手を差し伸べてくれる恩師を見つけたはずなのです。学ぶこと、学び続けることの大切さ、そして、人として教養を身につけることの喜びを知ったはずなのです。

 真の教養とはどこかで完結するようなものではありません。これからも学び続けることでしか身につけることはできないものなのです。ですから、どうか予断を持つことなく、慢心するでもなく、謙虚に、少しばかり身を小さくかがめて、それでも、「どんなことでも学び取ってやろう」という、ちょっと貪欲な気持ちで、何にでも挑戦を続けてください。

 本学の校訓「人になれ 奉仕せよ」という言葉には、いつの日か今はまだ見えないけど、誰かのために、社会のために、何かを実践できるように、少しでも、それに足り得る人に近づけるように、謙虚に学び続けなさい。そういう意味が込められていると私は思っています。

 それでも、自分の道に迷いが生じたときには、どうぞ遠慮することなく大学の門をくぐり、私たちの部屋のドアをノックしてください。いつでも、何度でも、皆さんが何歳になってもそれができるからこそ、皆さんは私たちの教え子であり、関東学院大学の卒業生なのです。このことだけは必ず覚えておいてください。

 そして、十年後、二十年後、もっと先であっても、「関東学院大学で学んでよかった」と思ってもらえるように、私たちもまた、皆さんの傍に寄り添い続ける存在でありたいと願っています。

 卒業、修了、本当におめでとう。

私からの最後の言葉はお別れではありません。

「皆さん必ずまた、お会いしましょう」

関東学院大学 学長
規矩大義

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