南三陸の牡蠣のサステナブル・ブランディング事業
ウルトラファインバブルを活用した養殖業の事業化に向けた実証実験を開始

関東学院大学(本部:横浜市金沢区 学長:小山嚴也)は、東日本大震災で津波の影響により大きな打撃を受けた牡蠣の養殖業へ、ウルトラファインバブル(UFB)を活用した南三陸の牡蠣のブランディングを行う「サステナブル・ブランディング事業」の事業化に向け、2月13日(日)より16日(水)まで、養殖業へUFBを適用した実証実験を行います。この実証実験では、UFB低濃度オゾン水の技術を養殖業に適用し、二枚貝の養殖におけるノロウィルス等の不活性化と除去について調べ、残存抑制効果を評価します。

宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉出張所カキ部会では、良質な牡蠣を養殖するための様々な取り組みを行なっていますが、実際の海洋での養殖においては、大腸菌やノロウィルス等の影響を受けるため、牡蠣の安全性を担保するために、塩素処理による対策を行なっています。二枚貝の養殖・生産においては、ノロウィルスなどによる食中毒や貝毒の蓄積による出荷停止が大きな課題となっています。今回の実証実験では、塩素処理に代わって、UFBを活用したノロウィルス等の抑制などを検証する予定です。また、UFBで酸素を供給することで、魚介類の成長が促進されることも明らかになっており、牡蠣の身痩せ(食感不良)といった課題に関する解決の可能性についても合わせて検証していきます。

関東学院大学は、文部科学省が発表した「令和2年度 大学等における産学連携等実施状況について」という調査における「特許実施等件数」の項目で全国6位(私大1位)を記録しています。これらの特許の大部分は、材料・表面工学研究所が取得したものですが、今回活用するUFBは、同研究所の技術によるものです。この技術を活用し、牡蠣の養殖における安全性、均質化、食感といった課題に対する高付加価値化サービスを提供するとともに、流通・販売に関するニーズや課題を抽出し、市場への適切な提供を行うことで、南三陸の牡蠣をサステナブル・ブランディング化するためのソーシャルベンチャーの立ち上げを目指しています。

 

ウルトラファインバブル(UFB)とは:
直径1μm(=0.001mm)未満の気泡をウルトラファインバブルと言う。ウルトラファインバブルが多数入った水は透明で、刺激を与えなければほとんど溶解も浮上もしないので、数週間~数ヶ月の気泡の寿命があると報告されている。

 

※本事業は、科学技術振興機構のSCORE(大学推進型 拠点都市環境整備型)の助成を受けたものです。

ニュースについての
お問い合わせ

関東学院大学 広報課
住所 〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1
TEL:045-786-7049
FAX:045-786-7862
E-mail:kouhou@kanto-gakuin.ac.jp