[学院長メッセージ]ロシア軍のウクライナへの武力侵攻に対する声明

#学院長メッセージ

「ロシア、ウクライナ侵攻」とのニュースが報道されてから2週間が経とうとしています。その間、ロシア軍によるウクライナ侵攻は激化し、各地の軍事施設がミサイル攻撃を受け、ロシア地上部隊も国境を越え、キエフなどの主要都市に迫り、多くの市民の生活が脅かされ、死傷者が続出する段階に来ています。多くの男性たちはウクライナに留まり、命がけで祖国を守ろうとし、女性たちは、子供・老人を伴い、近隣諸国に避難する状況が続いています。そんな中、ロシア軍がウクライナにある欧州最大のザポリージャ原子力発電所を占拠したとの報道は世界を震撼させました。

わたしは過去2回、ウクライナのバプテスト教会から招待を受け、2週間ほど、キエフ在住の指導者ヴィクター・クレヴィッチ氏のお宅に滞在し、各地で、説教、講演等の奉仕をしました。それと共に、キエフから北100キロにあるチェルノブイリ原発資料館を訪れ、原発事故(1986年4月26日)の凄まじさ、影響の深刻さに大きな衝撃を受けました。中でも、原発事故で被爆した子供たちが10年ほどの潜伏期間の後、甲状腺がん、白血病などを発症するケースが多く、訪問した2000年は事故後13~14年で、病院の小児病棟は満杯で、たいへん心を痛めました。

今回ロシア軍は、ベラルーシからの侵攻初日、稼働停止中のチェルノブイリ原発を占拠し、次いでロシア国防相は「ザポリージャ原発の周辺地域を支配下に置いた」と報じています。これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は「原発への砲撃は人類史上で初めてだ。もはや脅威ではなく、現実だ。…すべての人々に呼びかけます。どうぞ、目を覚ましてください。ロシア軍を止めなければならない」と訴えています。

関東学院は、「人になれ 奉仕せよ」を教育モットーとするキリスト教学校として、ウクライナ、ロシアにある全ての人々の尊厳と「いのち」がこれ以上、損なわれることがないように、そして、直ちにあらゆる戦闘行為が中止され、一日も早くウクライナの人々の安全と平和が回復されることを祈っています。

世界の人々が他者を愛し、受け入れ、尊重する時代が到来することを切に願い、学院に連なるすべての人々にこれを訴え、連帯を呼びかけます。ともに、平和への祈りの声をあげましょう。

2022年3月7日
関東学院 学院長
松田 和憲

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