11月30日(土)に共生デザイン学科の二宮咲子ゼミナールの学生が小田原市の早川地区で耕作放棄地の再生プロジェクトのイベントを企画開催しました。
県西地区の小田原では江戸時代からみかん栽培が始まり、最盛期には神奈川県内での柑橘生産量が最も多い地域でした。しかし、1970年代からは輸入果実の参入などで全国的にみかん需要が減少し、小田原市内のみかん農家もピーク時の約6割に減少しました。みかん畑は傾斜地が多く、機械化の導入が難しく、手間がかかる上に、生産規模の拡大がしにくいため、輸入果実の影響を受けやすく、価格低迷や後継者不足などの要因に繋がり、みかん農家の減少で、耕作放棄地が著しく増加してしまいました。
このプロジェクトは神奈川県、小田原市、シニアネットワークおだわら&あしがら(以下、SNOA)、関東学院大学が協力して、40年間耕作放棄された農地を開墾し、植栽、成木への育成と整備を進め、農園の活動を通して、シニア世代に農業体験の機会を提供するとともに、健康保持・生きがいづくりに寄与することを目的として2016年からスタートしました。
二宮ゼミナールは「自然環境をフィールドとした産官学民の協働によるソーシャルデザイン」をテーマとして、自然と共に生きる望ましい社会のあり方についてフィールドワークを中心に活動しており、2018年からSNOAの活動に参加し、畑の再生作業を共にしながらSNOAのメンバーとの交流も深めてきました。また、小田原市の地域特性やみかん農園の活動状況等の調査を行い、調査で得た情報を活かしたブランディングや広報を検討し、学生視点での魅力的なイベントや新しい商品の開発等を提案することで、新たな展開や持続可能な手法の創出をめざしています。
今回のイベントでは、この再生プロジェクトの活動を幅広く知ってもらい、持続的かつ拡大していくことを目的として、学生視点のアイデアを生かし、相模湾が一望できるSNOAのみかん農園で、「果樹園ウエディング」と「多世代交流会」を開催しました。
当日は小田原市長をはじめ、プロジェクトに関連する県や市の関係者も参列して、この農園での挙式を希望された、鈴木優介さん・こころさんの結婚式を開催。挙式のプログラム作りや進行のプロデュースだけでなく、飾りやウエディングケーキまで、全てをゼミ生が約3ヶ月をかけて制作。それぞれに使用する材料や素材も神奈川県内や小田原市内で採れたものにこだわり、参列者からも好評を得ました。また、式終了後の多世代交流会ではティーパーティーを開催し、学生考案のオリジナルフルーツティーの提供や、紙で作られた型枠の中にキャンディなどのお菓子を入れ、それを上から吊して棒で叩いて割るピニャータを通して参加者間での交流を図り、農園再生を持続的な活動にするための、様々な意見交換ができる機会をつくりました。
この企画制作を担当した、共生デザイン学科4年生の鳥海さくらさんと柴山妃夏さんは「耕作放棄地の問題について、SNOAの方々と活動に参加しながら考え、理解をしてきました。今回のイベントも、この活動がこれからも継続的なものになるために、私たちに何ができるかを考え、多世代が交流できる企画を提案することから始まりました。今年の夏前からイベント内容や飾りなどのデザイン制作を進めてきました。この農園で開催する意味やそのイメージをもつことで、この再生プロジェクトへの理解も深めることができました。こういったイベントをきっかけに農園を通じての交流が多世代に渡って続くと嬉しいです」などと語ってくれました。
今後も二宮ゼミナールは、SNOAのと耕作放棄地の再生プロジェクトに協力して活動していく予定です。
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