イタリアの学術誌Emerging Science Journalに論文が掲載 経営学部 水谷文宣 准教授

#経営学部 #SROI #社会的投資利益率

経営学部 水谷文宣 准教授の論文”SROI with Assurance Can Help Contributors Distinguish Hypocritical Organizations from Genuine NFPs”がイタリアの学術誌Emerging Science Journalに掲載されました。Emerging Science Journalは、世界大学ランキングでも使用されている抄録・引用文献データベース「Scopus」を運営する学術出版社エルゼビアが提供するCiteScore(学術雑誌評価指標)で4.3を獲得する学術誌です。

水谷准教授の研究テーマは「民間非営利組織会計」。今回の論文のテーマであるSROIとはROI(投資利益率)の一種でSocial Return of Investment(社会的投資利益率)のことを指し、経済的利益に加えて社会的利益にも着目し事業を評価する手法として、1990年代後半アメリカで開発され、21世紀になりイギリスで現在普及している形への発展が進みました。ある民間非営利組織※に対して寄付されたお金がどれだけ効率的に使われているかを数値的に表現した指標を算定したものがSROIです。数値化された指標があれば、寄付者が寄付したお金が効率的に使われているかを判断できるほか、経営者が経営を改善するための指標にもなるというメリットがあります。水谷准教授は、「今回の論文は、経営者が算出するSROIに対して独立した評価団体が第三者評価を加えることによりSROIの数値を保証しようという発想から生まれました。数値が保証されれば、営利企業が財務諸表に赤字を表示しなければいけないのと同様に、民間非営利組織を自称する団体がSROIの数値がマイナスであっても公表する必要が出てきます。これにより、公益性を損ねている民間非営利組織を寄付者が見抜くことができるようになります。」と語ります。

Emerging Science Journalへの論文の掲載について「少数派の人たちの支援ができるセクターは民間非営利組織であると考えたのがきっかけで、学部1年次にはすでに研究者を目指すことを決意していました。功利主義においては、少数派のために貧困に追い込まれてしまっている人たちを少しでも多く救済するために効率的に寄付が使われる必要がありますので、今後もSROIの品質の向上と普及に貢献していきたいと考えています。」と、水谷准教授は喜びの表情で今後の研究活動への抱負を語りました。

なお、論文はEmerging Science Journalのサイトよりご覧いただけます。

今後も関東学院大学は、よりよい社会の構築に向けた研究を推進していきます。

※民間非営利組織:公益性と非営利性の両方を持った民間団体。学校法人や民間病院も民間非営利組織に含まれる。

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