社会学部の小山弘美准教授が「第8回日本都市社会学会若手奨励賞(著書の部)」と、「第13回(2019年度)地域社会学会奨励賞(論文部門)」を受賞しました。
小山准教授は、「まちづくり」「自治と協働」「市民活動・NPO」などをテーマに都市社会学・地域社会学について研究しています。また世田谷まちづくりファンド運営委員や、せたがや自治政策研究所政策研究員を担い、世田谷の研究者としても知られています。
今回受賞した著書、論文に共通するテーマは『世田谷区のまちづくり活動』。せたがや自治政策研究所の特別研究員としての経験を踏まえ、まちづくりが活発な世田谷区に関心を持ち執筆に至りました。
「第8回日本都市社会学会若手奨励賞(著書の部)」受賞
『自治と協働からみた現代コミュニティ論―
世田谷区まちづくり活動の軌跡』(晃洋書房、2018年)
本書は、市民活動が活発になり始めた1970年代から活動の中心となっていた世田谷区のまちづくりについて、住民と行政との対立と協働の視点から記述。世田谷プレーパーク※の事例を通して40年間の軌跡を綴っています。学会賞選考委員会から、従来の日本の都市社会学では比較的手薄であった、子供の遊び場に関する研究としても新規性が認められ、『せたがや自治政策研究所』の特別研究員としての経験が生かされていることが評価され今回の受賞に繋がりました。
※「プレーパーク」:行政が管理する公園で行う冒険遊び場のこと。最近は子どもの遊び場を始め子どもの見守りの機能を担い、多様な人々との交流の場ともされています。
「第13回(2019年度)地域社会学会奨励賞(論文部門)」受賞
『ネットワーク型コミュニティの成立とその機能
―世田谷区プレーパーク活動を事例として』
(「日本都市社会学会年報」第36号、2018年、114-129頁)
本論文では、著書「自治と協働からみた現代コミュニティ論―世田谷区まちづくり活動の軌跡」であげた事例の1つである、プレーパークを通して地域内外で拡がるネットワーク型コミュニティの意義や、地域の特性に即したコミュニティの発祥について論述されています。
『特殊的課題解決型』の市民活動が地域内のネットワーク形成の主要な担い手として、地域コミュニティ形成を支える役割を果たすとともに、地域外部への広範なネットワークの重要なハブとして生かされている事例分析を踏まえて、論考を展開したという点が評価され受賞に繋がりました。
小山准教授は「世田谷区で活動し続けて実感した、そこにしかない空気感を言語化できないかという想いから執筆を始めました。名誉ある賞を同年に2つ頂けたことを大変光栄に思います。」と話します。
また今後について、「コロナ禍に対応していくまちづくりがどのような姿であるかを探求していく必要があると考えています。まちづくりの基盤となる『人との繋がり』が容易でない状況下で、何が出来て何が出来ないか向き合っていくことが課題ですね。ネットワーク型コミュニティは、海外とネットワークを持つ活動も多くあるので、海外との繋がりについてさらに研究していきたいです」と展望を語りました。
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