2021年度卒業式・学位授与式を執り行いました。

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3月24日(木)に、横浜市西区のパシフィコ横浜国立大ホールにおいて、2021年度卒業式・学位授与式が執り行われ、学部卒業生と大学院修了生合計2314名を送り出しました。

卒業式は、石渡浩司宗教主任(教育学部准教授)の司式で、混声合唱団による讃美歌の流れる厳かな雰囲気の中、卒業生・修了生や教職員などが列席して、キリスト教の礼拝形式で執り行われました。

小山 嚴也学長は式辞で「卒業生の皆さんが大学で得たもの。それは物の見方、考え方であり、対象を解釈、理解するための道具としての知です。社会に出て、その知を用いて他者と協働しながら社会の課題解決に寄与し、周りにいる人たちから『ありがとう』と言われることが皆さんにとっての幸せです。そして、そのような姿を見ることが私たちにとっての幸せです。これこそが、皆さんにとっても、私たちにとっても、『人になれ 奉仕せよ』そのものだと思います」などと母校を巣立つ学生たちにエールを送りました。

卒業生を代表して栄養学部の松島菜歩さんは「私たちが実り多い学生生活を送れたのは、関東学院大学の教職員の皆さま、そして共に困難を乗り越えた友人たちのおかげです。これからも感謝の気持ちを忘れず、努力することを惜しまず、さらに大きく成長していきたい」などと答辞を述べました。

卒業生の皆さんの社会での活躍を期待しています。

小山 嚴也学長 式辞(全文)

卒業生、修了生の皆さん、卒業、修了、おめでとうございます。コロナ禍の2年間、当たり前が当たり前ではなくなる中で、皆さんは当初の期待とは異なる学生生活を強いられたかと思います。しかしながら、そうした厳しい状況においても、問い学び、学び問い続け、今日この日を迎えられました。そうした皆さんの努力に改めて敬意を表したいと思います。

また、この晴れの日を心待ちにしてこられたご家族、関係者の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。そして、本学に対するこれまでの厚いご支援に対し、心から御礼申し上げます。

さて、皆さんは大学でいったい何を得たでしょうか。「親しい友人ができた」「いい思い出ができた」「クラブ活動でいい成績を残せた」など、すぐにいくつかのことが思い浮かぶことだと思います。それはとても価値あることですし、もしもこの大学でそうしたものが得られたのなら、本当によかったと思います。しかし、よく考えてみると友人、思い出、クラブ活動での成果というのは、大学でなければ得ることができないものではありません。これは高校生活を考えてみればすぐにわかることです。それらは高校でも中学でも得られたことですし、大学に進学しなくても得られたはずです。

では大学でしか得られないものは何か。

大学は知の拠点であり、私たち大学の教員は知の担い手である研究者です。そして、最先端でもがき苦しみながら獲得した知を学生の皆さんに還元していく。それが私たちの仕事です。私たちが皆さんに還元する知とは、物の見方、考え方であり、対象を解釈、理解するための道具です。おそらく、講義や演習、実験や実習の中で、「なるほど」と思ったり、「そういうことだったのか」と思ったり、「こうすればいいのか」と思ったことがあるはずです。それこそが皆さんが大学で得たもの、すなわち、考え、理解し、行動するための道具としての知なのです。

課題は教室の中ではなく、社会の中にあります。社会には大中小様々な課題がたくさんあります。働くとは「傍」を楽にすること。つまり、社会にある様々な課題を解決し、「傍」、すなわち自分の周りにいる人たちを楽にする行為に他なりません。自らの獲得した道具としての知を用いて、他者と協働しながら課題解決に立ち向かうことが働くということなのです。ですから、皆さんは道具を使いこなせるようにならなければいけませんし、いつでも使えるようにそれを磨いていかなければなりません。

社会に出て、経験を積めば積むほど、道具の使い方はわかってきますが、逆に、わからないことも増えていきます。やがて、足りない道具や新しい道具を手に入れることも必要になってくるでしょう。そんな時、自ら書物を紐解いたり、しかるべき人に尋ねたりして、皆さんは道具としての知を増やしていくことになります。この道具としての知を増やす方法もまた、大学で得られた大きな力のひとつです。実は皆さんは大学で知の増やし方、すなわち学び方を学んできたのです。おそらくこのことは、今はピンと来ないと思いますが、社会に出てから強く実感するはずです。

こうして、皆さんは生涯にわたって道具としての知と格闘していくことになるわけですが、時々この大学の存在を思い出してほしいのです。なぜか。それは大学が知の拠点であり、私たちが知の担い手だからです。ここに来れば、新たな知が得られるかもしれませんし、知を得るための手がかりが得られるかもしれないからです。

皆さんは今日、この大学の学生ではなくなります。しかし、学びは一生続きます。だとすれば、生涯学び続けるために、知の拠点であるこの大学、知の担い手である私たちと、今この瞬間、新たに縁を結びなおしてほしいと思うのです。そして、新たな道具を得たいと思った時、いつでも訪ねてきてほしいと思うのです。そんな時、私たちは喜んで皆さんを迎え入れることでしょう。それが母校というものです。

道具としての知を存分に用いて、社会の課題解決に寄与し、周りにいる人たちから「ありがとう」といわれることが皆さんにとっての幸せです。そして、そのような姿を見ることが私たちにとっての幸せです。これこそが、皆さんにとっても、私たちにとっても「人になれ 奉仕せよ」そのものだと思うのです。それが関東学院大学で学んだ者の生き方なのかもしれません。

皆さん、改めて、卒業、修了おめでとう。
またいつかお会いしましょう。

2022年3月24日
関東学院大学
学長 小山 嚴也

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