総合研究推進機構 堀内義夫講師による「UV照射による表面改質法を用いた無電解めっきパターンの形成に関する研究」が、将来の発展が期待される研究成果であるとして、2022年度表面技術協会[進歩賞]を受賞しました。
表面技術協会は金属をはじめ、プラスチック、セラミック等の素材へのめっき、化成処理、塗装、研磨、洗浄、熱処理などの技術とその関連分野を扱う学術団体で、今回受賞した[進歩賞]は、独創性に富み、将来の発展が期待される研究成果、新製造技術、新商品を対象に表面に関する学理および技術の進歩に貢献する業績を表彰するものです。
めっきを始めとする表面処理技術は、日本の基幹産業である自動車をはじめ、携帯電話や各種センサーなどの精密機器、さらには医療分野にまで貢献するような、今の世界にはなくてはならない重要な技術です。この表面工学分野の研究開発において学会や産業界をリードしているのが関東学院大学 材料・表面工学研究所です。
1962年、材料・表面工学研究所の前身である「関東学院事業部」は、プラスチックにめっきを施す技術の工業化に世界で初めて成功しました。これにより製品の軽量化や自由かつ複雑なデザインへのめっきが施せるようになりました。めっきに代表される世界最先端の表面工学技術の研究は、現在、材料・表面工学研究所に引き継がれ60社にも及ぶ国内外の企業と最先端技術の共同開発を行っています。
「私の取り組んでいる研究は、これまで研究所が行ってきためっき技術の研究が基盤となっています。研究に関わってきた多くの方々の成果が受け継がれてきた結果が今回の受賞につながったと思います」と、受賞の喜びと、長年にわたる材料・表面工学研究所の「表面工学研究」に関われたことの誇りを語った堀内講師。
堀内講師は「エレクトロニクス産業は近年急速に発展しています。その中でも電子製品の軽量化、大容量化が求められていますが、これにはプリント基板の配線の微細化、精密化、高機能化が必要不可欠です。薬品を用いて保護膜(レジスト)を形成し配線パターンを形成する従来の手法と比べ、UV照射による表面改質法はより微細な金属パターンを低コストで形成することが可能です。この技術を応用することで、透明導電膜や透明ヒーターなどのデバイス形成も可能になり、今後のエレクトロニクス産業のますますの発展が期待できます」と自身の研究について今後の展望を話しました。
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