工学研究科の大学院生が「ナノ科学シンポジウム」で最優秀ポスター賞を受賞しました。

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2022年11月18日に東京大学にて開催された「ナノ科学シンポジウム」で工学研究科修士1年の佐藤匠さんが「ナノ層状リアクターの電子移動反応を利用したアゾ染料の酸化分解と反対条件の最適化」と題し、ポスター発表を行い、最優秀ポスター賞を受賞しました。

現在、主に洋服の染料として使われている有機色素が、海外の工場で産業排水として海や川に流れ出ていることが、環境汚染の原因の一つとして問題視されています。SDGsの中でも水環境の改善に関心を持った佐藤さんは、3年前より水に含まれる有機色素の吸着に関する研究グループを立ち上げ、環境汚染を防ごうと研究に取り組んでいます。佐藤さんは「層状マンガン酸化物の層の隙間に水を通して有機色素を吸着しますが、この隙間に入れる物質によって吸着量が変化します。研究を進めていく中で、界面活性剤を入れることで、従来の40倍もの有機色素を吸着できることを発見しました。これがナノ層状リアクターという吸着材です。ナノ層状リアクターは再利用が可能となっており、今年の3月には有機色素を吸着するだけではなく分解を達成しました。現在は、実用化に向けて反応条件の研究を進めています」と自身の研究について話しました。発表では関心を惹くポスターになるよう、また、審査員全員の心に響く説明ができるよう、研究室で何度も模擬発表を重ねたといいます。

受賞について「友野先生や同じ研究室の学生の協力があったからこそ受賞することができました。今までの学会でもお褒めの言葉をたくさんいただきましたが、なかなか結果に結びつかず悔しい思いをしてきました。今度こそ!という強い気持ちを持って臨んだので、結果を聞いて安心したとともに自信がつきました」と喜びを語りました。

研究室の友野和哲准教授は「佐藤さんの研究は、いつかはどこかの学会で賞を獲ると確信していたので、受賞の報告を聞けて嬉しいです。研究を始めて1年ほどは実験をしても少し吸着する程度でしたが、その後佐藤さんが中心となって飛躍的に成果を上げてくれました。次の学会でもクオリティーの高い発表を期待しています」と話しました。

表彰状を手にする佐藤さんと、友野准教授

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