建築・環境学部の粕谷准教授が設計を行った「WHOLE EARTH CUBE」の生活利用が始まりました。

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建築・環境学部の粕谷 淳司准教授がWOTA株式会社の「小規模分散型水循環システム」を搭載したオフグリッド居住モジュール「WHOLE EARTH CUBE(10ftモデル)」の設計を行いました。

オフグリッド居住モジュールとは、ソフトバンク株式会社、WOTA株式会社、北良株式会社の3社が協働で開発している「小規模分散型水循環システム(住宅から出る生活排水を100%近く再生可能にする装置)」を搭載した木造のトレーラーハウスのことです。

北良株式会社は2021年から大型トレーラーハウスの形式で「WHOLE EARTH CUBE」を実用化し、実証を続けてきましたが、粕谷先生が開発に参加し、設計を担当した今回の「10ftモデル」の特徴は、そのサイズと拡張性にあります。大型トレーラーハウスが規模の大きな幹線道路しか移動できないのに対し、2tトラックに積載可能な小型ユニットで構成される「10ftモデル」は、離島や山中といった細い道路しかない場所にも移動でき、連結によって大きさを変えることも可能。このことによって設置可能なエリアや、使い勝手の可能性が一気に広がりました。

粕谷先生が設計を行う上で苦労した点は、防水性能や断熱性能も確保しながら、設置場所で簡易に行うことができる、ユニット同士の「連結」の仕組みの開発。また、インテリアでこだわった点は、既存のトレーラーハウスにはない、利用者の生活に合わせて使いやすくカスタマイズできる点だといいます。粕谷先生は「連結式にすることで空間を自由自在に変えられることに加えて、壁に木材を使用したり連結部分である廊下を広く設計することで棚などの設置を可能にするなど、DIYがしやすいよう工夫しました」と話します。連結部分は防水機能のあるマジックテープを使用するなど、従来のトレーラーハウスや住居にはない仕様で、使い勝手の良さと住みやすさを兼ね備えました。

2023年3月より、東京都利島村で「WHOLE EARTH CUBE(10ftモデル)」の実証実験がスタート。持続可能な水インフラの構築を目指す全国初の取り組みに、大きな注目が集まっています。

利島村は東京から南に約140kmに位置する人口約300人の小さな島で、島内に川も湧水もないことから、水の供給が常に課題となってきました。2023年4月より島内からの応募者1名が住んでおり、実際に生活を行いながら、今後どのような改善が必要かを模索していきます。

「WHOLE EARTH CUBE(10ftモデル)」は、利島だけでなく、今後日本国内や海外での様々な利用の可能性を秘めています。粕谷先生は開発にあたり、さらなる活用の可能性を探るため、研究室の学生と意見を出し合いました。学生からは、海の家でのシャワー設備としてや自宅の離れ、遍路小屋としての活用など、日常利用に加えて非日常での活用や災害時の利用など、様々なアイディアがあがったそうです。

利島村での実証実験の終了後には、島内で別の場所に移動し、一般利用も可能な宿泊施設として転用する可能性も検討されているとのこと。今後に向けて、さらに期待が高まります。

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