経済学部 青柳ゼミナールの授業でJICA海外協力隊セミナーを行いました。

#JICA海外協力隊 #国際協力 #スポーツ #経済学部

1月19日(木)、経済学部 青柳健隆准教授のゼミナールの授業にJICA海外協力隊の方が講師として登壇しました。青柳ゼミでは「スポーツとコーチング」をテーマとしています。今回はスポーツを通じた国際協力について、JICA海外協力隊の方を招き、活動内容の紹介や、実際に協力隊として途上国に派遣された方の体験談を講演していただきました。

はじめに青年海外協力協会の原浩治さんより、JICA海外協力隊の活動内容について説明がありました。JICA海外協力隊は、開発途上国からの要請に基づき、青年海外協力隊として派遣され、現地の人々と共にその国や地域の課題解決に取り組みます。原さんは大学院を卒業後に青年海外協力隊に参加し、ブルガリアの小中学校で体育を教え、青少年育成に携わったといいます。活動内容は原さんが携わったような、人を育てる分野もあれば、野菜栽培、自動車整備、障害者支援、経営管理など、9つの分野、190以上の職種があり、多岐にわたる活動を行っています。

次に、青年海外協力隊事務局の増田萌子さんが登壇。増田さんも元協力隊のOV(old volunteer)で、セネガルで体育の教師を務めました。JICAではJICAグローバル・アジェンダという、「人間の安全保障」、「質の高い成長」、「地球規模課題への取組」といった、日本が開発協力で目指す理念の実現のために、20の課題別事業戦略を策定。そのうちの一つ「スポーツと開発」は、性別や社会的な立場の違いに関わらず、全員がスポーツを楽しむことができる平和な社会の実現を目標としています。「スポーツは競技としての側面だけでなく、肉体や精神の健康、障害や性別を超えた社会参画など、様々な形で社会生活に影響を与える力を持っており、それは人々の希望や生きがい、ひいては国や世界の平和実現にも繋がります。学生の皆さんには、そうしたスポーツの『強み』を今日の講演で学んで欲しいと思っています」と話がありました。

そして本日のメインプログラムである協力隊経験者の体験談。講師はジャパンラグビーリーグワンの久留米陽平さんです。久留米さんは大学を卒業後、2年間キルギスで現地の人々にラグビーを教えに行きました。「中学校から大学卒業までラグビーをずっとやってきて、就職活動が始まった時、何になりたいかイメージが沸かず、周りに流されるまま就職活動をしていました。今後もラグビーに関わることが出来ればいいな、くらいしか当時は考えていなかったですね」と過去を振り返ります。そんな時に、日本ラグビー協会がJICAと連携し、海外でラグビーを普及させる活動を行うと知った久留米さんは、その活動に応募。選考に合格し、様々な研修を経てキルギスへ行くことになりました。

しかし、いざキルギスに着いてみると聞いていた話と全く違っていたと言います。「最初は現地の大学でラグビーを教える予定だったのですが、現地のチームは既に解散しており、ラグビーの授業も行われていません。誰もラグビーに興味がなく、自分が何のために来たか分からず、しばらくホームシックでした」と当時の苦悩を口にしました。

このままではダメだと思い、ラグビーに触れてもらうイベントを企画しようと考えることにしました。様々なところで断られ続け、現地で出来た知り合いを通じてなんとか開催したところ大反響。はじめてラグビーボールに触れた参加者も多く、「これって不良品?」と聞かれたそうです。しかしルールを教え、プレイしてもらうとラグビーの楽しさにみんなハマっていったとのこと。反響から色々な場所に呼ばれることになり、結果的に約10か所でイベントを行い、延べ500人を超える参加人数になりました。

イベント企画の他にも、子どもたちのラグビーチームを作り指導を行いました。活動が終わる直前には、カザフスタンで近隣諸国を集めたU-18の国際大会にキルギス代表チームのコーチとして参加し、初戦のウズベキスタンに勝利。「ウズベキスタンに勝利したあと、カザフスタンに負けてしまったのですが、子どもたちから『まだまだやれる』とラグビーへの意欲を強く感じました。もう私が教えなくても、自分たちで練習を続けていけるなと思いました」と、子どもたちの成長を感じたそうです。

体験談の最後には、「一般的な国際協力のイメージは、人の命を救うことに直結した活動が浮かぶと思いますが、『規律』、『他人への尊重』、『努力と挫折』、『達成感』など、精神的な面で、多くのことを学ぶことが出来るのがスポーツの素晴らしいところです。私はこれらを『人生の糧』と呼んでいますが、様々な国や地域で、多くの人々が『人生の糧』を手に入れてもらえるように、スポーツを教えること。これこそがスポーツを通じた国際協力だと思っています」と、スポーツを通じた国際協力の意義を語りました。

全体の質疑応答では、学生たちからの質問に対する回答や、補足説明がそれぞれの講師からあり、学生たちはJICAの活動内容について興味を強く示していました。

今回参加した経済学部1年生の渡邉海翔さんは、JICAの方が登壇されると話を聞いて、参加したと言います。講演を終えて、「開発途上国でラグビーを教えていた方の体験談を聞くことが出来るのは、とても貴重な機会だと思い、先生にお願いをして聴講させていただきました。実際に話を聞いて、日本と違う生活や教育環境の話はすごく驚きましたし、自分が教えるという立場でいながら、現地の文化や価値観を学ぶことが出来るのは、とても魅力的な活動だと思いました。まだ将来のことは明確に考えていませんが、こういった進路もあるのだと視野が広がり、参加してとても良かったです」と感想を語ってくれました。

 

関東学院大学は今後も学生たちのキャリアを考えるための学びを推進していきます。

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