3月24日(金)に、横浜市西区のパシフィコ横浜国立大ホールにおいて、2022年度卒業式・学位授与式が執り行われ、学部卒業生と大学院修了生合計2385名を送り出しました。
卒業式は、石渡浩司宗教主任(教育学部准教授)の司式で、混声合唱団による讃美歌の流れる厳かな雰囲気の中、卒業生・修了生や教職員などが列席して、キリスト教の礼拝形式で執り行われました。
小山 嚴也学長は式辞で「課題は教室や大学の中ではなく、社会にあります。皆さんが社会に出て、働くということは、異なる背景を持つ人たちと協力しながら社会にある様々な課題を解決し、自分の周りにいる人たちを楽にすることに他なりません。そのために、皆さんは目の前の課題に対して『どうなっているのか?』『なぜそうなっているのか?』『どうすべきなのか?』ということを常に問い続けなければなりません。知恵とともに問いを生きる、そのような豊かな人生を送ってください。それが『人になれ 奉仕せよ』、関東学院大学で学んだ者の生き方なのです」などと母校を巣立つ学生たちにエールを送りました。
卒業生を代表して教育学部の成瀬彩花さんは「様々な思いや思い出の詰まった学生生活も今日で終わり、私達は新たな生活をスタートいたします。しかし、大学卒業は終わりでも始まりでもありません。今後も私たちの成長の機会は尽きることなく、大学生活で培ってきたことを土台として続いていきたい」などと答辞を述べました。
卒業生の皆さんの社会での活躍を期待しています。
小山 嚴也学長 式辞(全文)
卒業生、修了生の皆さん、卒業、修了、おめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、皆さんは当初の期待とは異なる学生生活を強いられたかと思います。しかしながら、そうした厳しい状況においても、学び続け、今日この日を迎えられたこと、改めて敬意を表したいと思います。
また、この晴れの日を心待ちにしてこられたご家族、関係者の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。そして、本学に対するこれまでの厚いご支援に対し、心より御礼申し上げます。
さて、皆さんは入学から今日までの間、この大学で何を得たでしょうか。こう問いかけると、「知識を得るために大学に来ました」とか、「大学で専門的な知識を得ました」と答える人は多いことでしょう。確かに知識は得たのだろうとは思いますが、果たしてそれが大学で得るものなのでしょうか。
知識はインターネットからも得られますし、書物からも得られます。また、大学ではなく専門学校でも得ることはできるでしょう。さらに言えば、知識の中には時代が変われば使えなくなるものも沢山あり、大学時代に得た知識が生涯にわたって利用できるというわけでもありません。ですから、「大学で知識を得た」といわれると、少し違和感を持ってしまうのです。
では大学で得たものとはいったい何なのでしょうか。私は、「知識」ではなく「知恵」なのではないかと思うのです。「知恵を絞る」とは言いますが、「知識を絞る」とは言いません。この言葉の使い方からもわかるように、「知恵」は動的な概念であり、思考や行動につながる意味を含んでいます。
つまり、蓄積してきた知識や経験を組み合わせ、活用・応用しながら、直面する課題に対して適切な判断をし、対応していくことを意味する概念が「知恵」だと思うのです。
そして厳密にいえば、大学での学びを通じて、皆さんは、知恵を絞ることの重要性に気づいた、あるいは知恵の絞り方を身に着けたのです。
課題は教室や大学の中ではなく、社会にあります。社会には大中小様々な課題がたくさんあり、それ取り巻くたくさんの人がいます。皆さんが社会に出て、働くということは、異なる背景を持つ人たちと協力しながら社会にある様々な課題を解決し、自分の周りにいる人たちを楽にすることに他なりません。
そのために、皆さんは目の前の課題に対して「どうなっているのか?」「なぜそうなっているのか?」「どうすべきなのか?」ということを常に問い続けなければなりません。そして、この「問い」に対する答えを見出し、課題解決に向けて行動するために、皆さんは「知恵」を絞ることになるわけです。この営みは生涯にわたって続くことになります。
「問いを生きる、知恵とともに」
知恵とともに問いを生きる、そのような豊かな人生を送ってください。それが「人になれ 奉仕せよ」、関東学院大学で学んだ者の生き方なのです。
改めて、卒業、修了おめでとう。またいつか皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
2023年3月24日
関東学院大学
学長 小山 嚴也
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