2023年度入学式を執り行いました。

#2023年度 #入学式

4月2日(日)に横浜市西区のパシフィコ横浜国立大ホールにおいて、2023年度入学式が執り行われました。2023年度は学部生、大学院生あわせて2,994人の新入生を本学に迎えました。

入学式は石渡浩司宗教主任(教育学部准教授)の司式のもとキリスト教の礼拝形式により進行され、緊張した面持ちではあるものの期待に満ちた新入生が参列しました。

小山嚴也学長は式辞で「何事であれ、物事を習得するのはそれなりの努力と時間が必要になります。したがって、学問の道もそれほど容易なものではありません。学問とはそういうものだと覚悟を決め、将来、社会にある様々な課題に立ち向かうためにも、この関東学院大学で学問に勤しみ、少しずつ力をつけ、人格を陶冶していってほしい」と新たに学びや研究をスタートさせる新入生へエールを送りました。

小山嚴也学長 式辞(全文)

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
関東学院大学教職員を代表いたしまして、皆さんを心より歓迎いたします。また、ご家族や関係者のみなさまにも、お祝いを申し上げます。

今日から皆さんは大人たる学生になります。生徒ではありません。今日から自らのことを生徒と言ってはいけません。学生という自覚を持たなければなりません。生徒は未熟な子供であり、それゆえに、大人の言うことに従いながら生きる存在です。だから、大人から勉め強いられるという意味の「勉強」をしてきたわけです。大人たる学生は、自ら問いを立て、その問いを明らかにするため学び、学びの中からまた新たな問いを見出し、さらに学んでいくという「学問」にいそしむ能動的、自律的な存在です。つまり、皆さんは今日からそうした存在になるのです。

学問とは自ら問いを立て、その問いを明らかにすることだと言いました。
問いには3つのタイプがあります。1つ目は「どうなっているのか」という問いです。2つ目は「なぜそうなっているのか」という問いです。そして、3つ目は「どうすればいいのか」という問いです。

1つ目の「どうなっているのか」という問いに対する答えは、インターネットで調べればすぐにわかるだろうなどと思ってはいけません。インターネット上の情報は玉石混交です。精度の高い情報を得るためには、正しい情報収集の方法とその情報を取り扱う作法をマスターする必要があります。さらにいうと、実際に現場に足を運んで、現物を見て、現地の人の話を聞いて、リアルな現実を知ることも重要です。これらのどちらが欠けても、第1の問いに答えることはできないのです。

1つ目の問いに対する答えが明らかになると、2つ目の「なぜそうなっているのか」という、いわば原因をさぐる問いが生まれてきます。しかし、この「なぜそうなっているのか」という問いに対する答えを導き出すことは容易ではありません。また、そもそもこの問いには正解があるわけでもないので、調べても答えは出てきません。ひたすら考えるしかない。実は、大学での学びの大半はこの問いの答えを探すことに他なりません。

原因の目星がついたら、3つ目の「どうすればいいのか」という問いに答えていくことになります。これは解決策を考えるという作業であり、ここでは皆さんがそれぞれの学部や研究科で学ぶ専門領域の知見がかかわってきます。しかしながら、この問いは、どのような態度・姿勢でそれに取り組むべきなのかという、自分自身を顧みる、自分自身のあり方を問うものでもあります。つまり、第3の問いは専門性と人間性にかかわる問いだといえるのです。

私たち大学の教員は知の担い手である研究者です。研究者としての私たちは「どうなっているのか」「なぜそうなっているのか」「どうすればいいのか」と日々問い続けています。私たちは研究のプロとして獲得してきた知を学生の皆さんに還元していきます。すなわち、答えを得るための正しい方法と作法を伝授すること、答えを得るための手がかりとしての理論やモデルを伝授すること、そして課題とそれを取り巻く他者や自己を理解するための手がかりとしての教養を伝授すること、これが私たちの仕事です。

おそらく大学の講義や演習、実験、実習で扱われる内容について、皆さんは難しいと感じるはずです。しかし、そこで扱われているのは問いに答えるために必要な方法や作法、理論やモデル、教養のいずれかです。先生方がそれらのうちのどれについて語っているのか、今どの問いにかかわることを論じているのかを意識することが理解への第一歩となります。意識をすれば、いずれ、腑に落ちる時がやってきます。何事であれ、物事を習得するのはそれなりの努力と時間が必要になります。したがって、学問の道もそれほど容易なものではありません。学問とはそういうものだと覚悟を決め、将来、社会にある様々な課題に立ち向かうためにも、この関東学院大学で学問に勤しみ、少しずつ力をつけ、人格を陶冶していってほしいと思います。

関東学院大学という場で学問に打ち込む時間が実りあるものになるよう、教職員一同、全力でサポートしていきますので、どうぞ皆さんも、あせらず、半歩ずつでいいので、前に進んでいってください。

皆さんが卒業・修了される時の満足した顔を楽しみにしつつ、学長式辞といたします。

 

関東学院大学 学長
小山 嚴也

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