3月初旬、関東学院六浦小学校の小学6年生を対象とした情報教育の授業に、人間共生学部の折田明子ゼミナールが協力しました。
情報化社会に伴う、インターネットや掲示板、SNS等によるネットいじめが増加していることが文部科学省の調査により明確になっている現代において、情報化社会の特性やネットワークの理解を深めることや、自分自身で的確な判断ができる能力を身につけることが必要となっています。そこで同小学校で、全面的にデジタル・シティズンシップ教育を始めるにあたり、情報化社会学を専門とする人間共生学部の折田明子教授と、折田ゼミナールに所属する学生らが情報教育の授業に協力することとなりました。
当日は折田教授からの現代のインターネットコミュニケーションの特徴や匿名によるリスクなどの説明のあと、折田教授が制作に携わったインターネット上のいじめを題材にした、中学生向けの漫画教材を活用しながらワークショップが始まりました。今回の題材は、SNS上で一躍有名になった男子中学生が、あることをきっかけに投稿の裏側がクラス中の噂になり、不登校になってしまう物語。児童たちは、自分自身は登場人物の一番誰に共感ができるか、面白かったシーンや違和感があったシーンなどを書き出し、グループ内で意見交換しました。
参加した小学生からは、自分が登場人物と同じような気持ちになってしまった際の解決方法を見つけることができた、登場人物の心情を考えることが面白かった、自分が当事者になる可能性もあるため気を付けていきたいなど、あらゆる情報が溢れてリスクを伴う社会においても、それを前向きに受け止めるような感想が多く上がりました。
小学生のサポート役として参加した別所里音さん(コミュニケーション学科4年)は、「情報化社会が進み、幼いながらにSNSやゲームなどで知らない人と簡単に出会うことができてしまうので、事件に巻き込まれるリスクが高いことを改めて実感しました。便利な世の中になってきていますが、各種アプリケーションにおけるメッセージ機能を駆使したコミュニケーションは、物事の本質がうまく伝わりにくかったり、相手の表情が見えないため、互いに注意することが大事だと思います」と話しました。
同じく小学生のサポート役として参加した森本彩水さん(同学科4年)は、「自分の意見をしっかりと持ち、自分とは異なる相手の意見も受け入れながら、グループワークを進められている児童たちに大変感心しました。ソーシャルメディアが普及し、小学生のころから端末を所有できる時代になっていますが、その分、あらゆる危険性について自分事に置き換えて理解できているのではないかと感じています。SNSは若い世代でも始めることができて便利ですが、一つ問題が起きてしまったら大人でも解決することが難しいことは大きな課題だと考えています」と話しました。
ワークショップを担当した折田教授は、「多くのSNSは利用規約上、13歳にならないと利用できません。自分のアカウントを作って利用する際には、対面コミュニケーションとは異なる特徴についてきちんと把握しておくことが、安全な活用につながります。今後も六浦小学校とともに、大人と子どもがインターネットについてお互いの観点を話し合える教材づくりをしていけたら」と今後の展望を語りました。
関東学院大学は今後も学院内の各校と連携しながら、現代社会における課題について探究していきます。
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