JICA海外協力隊経験者の方による講演会が行われました。

#JICA海外協力隊経験者 #プロジェクト科目

7/7(金)、横浜・関内キャンパスにてJICA海外協力隊経験者による講演会が行われました。この講演会は、人間共生学部で3年の春学期に開講している「プロジェクト科目」の一環として行われ、施 桂栄教授が担当するテーマ「中国文化についての調査・体験(江蘇省・江南地域)」と、山田留里子教授が担当するテーマ「中国のSDGs背景知識を学び、SDGsの達成に向けた啓発活動の企画」を履修する学生たちが聴講しました。

当日は、公益社団法人青年海外協力協会の牧薗 慧氏と、中国に派遣された最後のJICA海外協力隊経験者となる矢部 紬氏にご登壇頂きそれぞれ経験談をお話頂きました。

牧薗氏からは、現在までに累計5万人を超えるJICA海外協力隊が90カ国以上に派遣されていることや、隊員として現地に赴くまでの準備期間における研修などのJICA海外協力隊の概要をはじめ、自身も2015年~2017年の2年間青少年活動として、人身売買の被害に遭った女性たちの心のケアや自立支援といったタイでの活動についてお話頂きました。また協力隊の経験を経た自身のキャリアについて話した牧薗氏は、「社会では周りと違うからこそ価値が生まれることがある。日本は本当に豊かで、一度失敗しても何度でもチャンスがあり、本来自分はどう生きたいのか考える機会を持ってもらいたい。また、チャンスがあれば日本人であることに誇りを持ち世界でも活躍してもらいたい」と学生たちへメッセージを贈りました。

公益社団法人青年海外協力協会 牧薗 慧氏

続いて、矢部氏にJICA海外協力隊志望したきっかけや現地での活動内容など、動画を交えながらながらお話頂きました。

矢部氏は中国の沭陽県(じゅつようけん)の建陵高級中学(高校)に、2019年から日本語教員として派遣されました。現地では1、2年生の日本語の授業を担当し、会話、作文、リスニング、文化紹介を展開するほか、日本の高校生と繋ぐオンライン交流会などの日本語を扱うイベントの企画運営を担当。文化紹介の授業では、日本の四季にあわせて浴衣着付け体験や福笑い、現地でも人気のあるアニメなどを通して日本語を教えたといいます。

ところが、派遣されて間もなくコロナウイルスの流行により一時帰国を余儀なくされました。一時帰国中はインターネット環境の都合で、赴任先の生徒たちへのオンライン授業はかなわなかったものの、他校からの要請を受け60人ほどの生徒たちに対して日本語を教えていたとのこと。1年間の待機期間を経て再び中国に戻った矢部氏のもとには、コロナ前に担当していた生徒たちからの手紙が届いていたそうです。

「久しぶりに自分の住んでいたマンションに戻ると、生徒たちからのたくさんのメッセージが届いていました。コロナ前に1カ月しか関わることができなかった生徒たちは、再赴任のタイミングで卒業してしまったのですが、自分のことを待っていてくれる生徒がいるのだと改めて気持ちを引き締めるきっかけとなりました」と振り返ります。

再赴任後の活動について「受験に向けて日々進んでいく日本語学習に対して挫折したり、モチベーションが上がらない生徒を見かけました。そこで私の役目は、モチベーションを上げる起爆剤になることだと気づきました」と続けます。沭陽県には日本人がいないことから、日本語を活用する機会がなく、学びのモチベーションが保てないと考えた矢部氏は、かるたや日本語を使ったゲーム、J-POPのヒットソングを歌う授業を準備し、モチベーションが保てるような構成を考えたといいます。

現地での活動を振り返って「JICA海外協力隊の経験を通して見える世界が広がりました。人と触れ合うことでメディアを通してみる中国とは全く違う真の姿が見えた気がします。ぜひ海外に興味のある方にはチャレンジしてもらいたいです」と講義を締めくくりました。

青年海外協力隊員として中国で活動した矢部 紬氏

講義終了後には、「現地の生徒との交流で一番印象に残っていることはなにか」、「渡航経験や教育に関する勉強をしていなくても、大学卒業後にJICA海外協力隊の活動に参加しても問題ないか」など学生たちから質問があがり、就職活動を控える学生たちの背中を一押しするきっかけになったようです。

講義を聴講していた藤井由さん(人間共生学部コミュニケーション学科3年)は、「JICA海外協力隊というとアフリカが多いイメージでしたが、教育や自立支援など支援分野は多岐にわたることを知りました」、鶴田亜海さん(同学科3年)は、「もともとJICA海外協力隊に興味がありましたが、今回の講義を聞いて海外で活動したい想いが強まりました。自分が一歩踏み出せばきっと何かが変わるのだと確信しました」と話しました。

関東学院大学は今後も、自身の将来の可能性を見出すきっかけとなる授業を展開していきます。

  • sdg_icon_wheel_cmyk
  • SDGs_1
  • SDGs_3
  • SDGs_4
  • SDGs_5
  • SDGs_10
  • SDGs_16
  • SDGs_17

トピックスについての
お問い合わせ

関東学院大学 広報課
住所 〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1
TEL:045-786-7049
FAX:045-786-7862
E-mail:kouhou@kanto-gakuin.ac.jp