理工学部の生命学系が協力する、関東学院高等学校による「探究実験」の実験成果報告会が実施されました。
生命学系と関東学院高等学校は、2019度より2年生の生物の授業内で実施している「探究実験」において、大学教員を派遣し、講演をはじめ探究テーマの設定や、研究を進めていくうえで生徒らにアドバイスするなど、継続的な連携を図っています。
9/11には、半年間かけて取り組んできた「探究実験」の集大成として、同校メービー礼拝堂で実験成果報告会が行われ、生物を履修する生徒たちが研究成果をプレゼンテーションしました。発表テーマは「マリーゴールドの発芽速度 発芽本数に音楽が与える影響」「アメリカザリガニの感覚器官と捕食の関係」「ダンゴムシの記憶と疲労と交換性転向反応」「ミドリムシの光走性と光の波長の関係」など、日常の生活でふと疑問に思ったことや学校生活での気づきをきっかけとした13テーマ。中には、昨年度の先輩たちの実験を引き継いで、発展的なテーマを設定したグループも見受けられました。
生徒たちは仮説や実験方法、考察や今後の課題と展望を、スライドを用いて7分間で発表。発表後には、2つの実験を比較した際の条件は揃っているのか、個体差は関係していないかなど、活発な質疑応答が繰り広げられました。時折、審査員として出席していた、海老原充教授(動物分子生物学)、近藤陽一教授(植物分子生物学)、新家弘也専任講師(藻類利用学)より、実験方法や考察に対するアドバイスや、実際の研究者が用いる手法で実験が進められていると講評されると、登壇していた生徒は笑みを浮かべました。
また、それぞれのプレゼンテーションは「発表内容」「プレゼン」「質疑応答」の3項目で審査員と生徒たちによって審査され、最優秀賞、優秀賞、ベストプレゼン賞が選出されました。表彰式では賞を獲得したグループが呼ばれると、生徒たちからは驚きや喜びの声が上がり、安堵の表情で海老原教授から表彰状を受け取りました。
半年間の「探究実験」を経て「生物の水質浄化作用」をテーマとした生徒たちは、「高校の学びでは、先生がテーマを設定して実験器具もすべて準備されていますが、この探究実験ではそれらを自分たちで準備し、考察をまとめなければいけなかったのでとても大変でした。ですが、学会発表のようなイメージで発表することができて、とても良い経験になりました」と笑顔で話しました。
審査員の講評として、近藤教授は「研究は限られた時間で、人的リソースや金銭的リソースを含めて、どのくらいの実験をどのくらいの規模で行うか我々も常に考えなければなりません。皆さんもやりたいことが沢山あったと思いますが、そういう時ほど正確なデータを取るために、最も大事な実験だけに絞るといった考え方も大事になります。これは研究だけに限ったことではありませんので、今回の経験を活かしてこれからも頑張ってほしい」とコメント。新家専任講師は「質疑応答が生徒さんから飛び交っていることが素晴らしいと感じました。これからも人の発表を聞いて質問できるよう自分の中で考える事を心掛けてもらえたら」と話しました。
また海老原教授は、4月はじめの講義を振り返りながら「私自身の研究にも活かせるのではないかと、皆さんの研究成果を非常に興味深く聞かせてもらいました。大学に進学し社会に進出しても、考えることや新しいことを知ることの楽しみを感じながらこれからの人生を歩んでほしい」とメッセージを贈りました。
関東学院大学は今後も、大学の知見や施設を活かし学院各校との連携も図っていきます。
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