建築・環境学部 黒田研究室の4年生たちが、万代会館の軸組模型についてプレゼンテーションを行いました。

#建築・環境学部 #横須賀市 #万代会館 #軸組模型

10月21日(土)に、横須賀市の指定重要文化財である万代会館にて、建築・環境学部 黒田 泰介研究室の4年生が、春学期ゼミナールの成果である軸組模型を披露しました。当日は、横須賀建築探偵団の主催による第18回湘南邸園文化祭として、万代会館の見学会も開かれました。

万代会館は、津久井浜に面した高台に位置する昭和初期に建てられた茅葺き屋根の別荘建築で、帝国銀行頭取・青山学院理事長などを務められた万代順四郎氏の住まいとして使われていました。トミ婦人の死後、土地・建物は横須賀市に寄贈され、生涯学習施設として活用されていましたが、現在は耐震上の問題で庭園のみの公開となっています。

始めに川尻町内会館にて行われた建物解説では、昨年黒田研究室の学生が製作した白模型の隣に、実測調査を踏まえて製作した軸組模型(建物の骨組のみを表現した模型)を並べて展示。探偵団による万代氏の略歴と黒田研究室OBである横須賀市自然・人文博物館の亀井泰治氏による建物の構造に関する説明に続き、学生達は自分たちがつくった軸組模型の見て欲しい点や苦労したところについて話しました。数寄屋造の別荘建築である万代会館は、四棟に分かれた茅葺屋根をもちますが、L字型平面の角や増築部分では棟持柱が屋根を支えており、和小屋と扠首を組み合わせた構造です。軸組模型ではそういった特徴や、茅葺きの下地である竹の垂木といった細部まで表現しています。その後、黒田泰介教授からは壁沿いに並べられた、3Dスキャンニングによるフルカラーの建築図面について説明がありました。

プレゼンテーションの後は万代会館に移動し、縁側に模型と図面パネルを展示した建物見学会が行われました。実物と模型を相互に見比べることができる見学会は大変好評で、学生の製作した模型を多くの方に見てもらう機会となりました。

万代会館は茅葺屋根を一部修理中でしたが、学生達は下ろされた茅の中からまだ使える部分をより分けて、歴史的建造物のメンテナンスをお手伝いしました。

見学会に参加された一般の方からは「3Dスキャンの精密な図面に驚いた」「自分は一級建築士だが学生の内に軸組模型をつくるのは大変勉強になる」「若い人にこうした古い建物にもっと興味をもってもらいたい」などの感想があがりました。学生たちは、今回の貴重な経験を活かし、卒業研究を積極的に進めていきたいと意気込みました。

今後も、関東学院大学は学生が実際の研究の成果を発揮できる場を提供していきます。

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