法学部 大鐘敦子教授がソルボンヌ大学のベルトラン・マルシャル名誉教授を招聘し、連続講演会を実施しました。

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9月17日から10月1日まで、ソルボンヌ大学のベルトラン・マルシャル名誉教授を法学部大鐘敦子教授が招聘し、本学横浜・関内キャンパスを含む全国5ヶ所で連続講演会を企画・実施しました(共催も含む)。大鐘教授が、原大地慶應義塾大学教授と共訳したマルシャル教授の著書『サロメー詩と散文のはざまに』(2023年)が4月に出版されましたが、この機会を捉え、その著者であり近現代フランス詩に多大な影響を与えた19世紀フランスの詩人ステファヌ・マラルメ研究の世界の第一人者であるマルシャル教授の初来日が実現しました。なお、この連続講演会は日本学術振興会のフェローシップ(研究課題名「サロメ ・エロディアード・宗教ーマラルメ 、フローベールと数名の作家におけるメタ文学」)によるものです。

連続講演会の皮切りとなった日仏会館(9/19)には、これまでフランス文学研究者が切望していたマルシャル教授の初来日ということもあり、東北地方や四国まで全国各地から多くの研究者や英文学研究者、西欧文化に関心のある一般市民が70名近く参加し、講演会場は熱気と興奮に包まれました。日仏会館副理事長の中地義和東京大学名誉教授がフランス語で歓迎の辞を述べられ、大鐘教授によるサロメ研究史やマルシャル教授の紹介に続いて、マルシャル教授の講演が始まりました。『サロメー詩と散文のはざまに』は、オスカー・ワイルド一色の日本の国内状況に対し、ワイルドが認められようと意識していたフランス文学の大詩人ボードレールやマラルメ、大鐘教授の専門である近現代文学の先駆者フローベールや象徴派のユイスマンスを通じて、「サロメのダンス」をリライト(再話)する行為自体が、19世紀の詩(韻文)と小説(散文)の危機的な時代においては、文学ジャンルの大地殻変動と合致することを指摘し、聖書の踊り子サロメのダンスの意味が各作家が目指した詩と散文を超えた至高の書物に向かっていたことを解き明かした歴史的な名著です。現在は絶版となっていますが、今回の初邦訳でようやく一般にも向けて紹介されました。

9月20日の東京大学(本郷キャンパス)および9月26日の京都大学では、マラルメの「至高の書物」として未完で知られる大作「エロディアード」詩群についての初の講演会となり、ポール・ヴァレリーの専門家をはじめ多くの研究者が詰め掛けました。講演原稿を用意せずに難解なボードレールやマラルメの詩を流暢に引用しつつ語りかけるマルシャル教授の講演を目の当たりにした日本の研究者たちはその様子に圧倒され、深く魅了されていました。

本学横浜・関内キャンパス(9/22)では、マルシャル教授が個人編纂された『ステファヌ・マラルメ書簡集』(ガリマール社)の編纂方法について、書簡を編纂するとはどういう作業でどのような困難があるのかという普段到底聞くことのできない編集事情に関して「書簡集を編纂する « Éditer la Correspondance »」というタイトルで講演されました。この講演会では、関西マラルメ 研究会を牽引してきた中畑寛之教授(神戸大学)が、いくつかのマラルメの書簡や訪問名刺を実際に現地でzoomを用いて紹介し、解読方法や時代判定を行なって、マルシャル氏に意見を乞うという画期的なワークショップも開催され、多くの若い研究者たちが興奮しながら画面を見つめていました。

最終日(9/30)は神戸大学で開催されました。目下、待望されているマルシャル教授の著書『マラルメの宗教』の邦訳刊行のまとめ役である神戸大学の中畑氏が主催し、マルシャル教授の教え子の一人である村上由美先生(慶應義塾大学専任講師)が司会を務めた講演会には関西の各地の大学から研究者や教え子たちが訪れ、マルシャル教授が語る研究人生の歩みの紹介から壮大な研究について、熱心に耳を傾けていました。

ベルトラン・マルシャル教授 略歴:
ソルボンヌ大学名誉教授。パリ第 4 大学文学研究科十九世紀比較文学研究科所長(2008-2018)。研究対象はステファヌ・マラルメおよび 19 世紀詩学から、20 世紀文学に及ぶ。プレイアッド版『マラルメ全集』の個人編纂をはじめとして、マラルメの多くの作品集、書簡集を編纂し刷新した。『マラルメの宗教』(La Religion de Mallarmé, José Corti, 1988)、『メリー・ロランへの手紙』(Lettres à Méry Laurent)、『サロメー詩と散文のはざまに』(Salomé entre vers et prose -Baudelaire, Mallarmé, Flaubert, Huysmans, José Corti, 2005)の三つの著作はそれぞれ、アカデミー・フランセーズが優れたマラルメ研究に贈るアンリ・モンドール賞を受賞している。2018年には、フランス人文院(フランス道徳政治科学アカデミー)Académie des Sciences morales et Politiques からこれまでの功績に対し、Pierre-Georges Castex 賞が授与された。

日本学術振興会のフェローシップについて:
外国人研究者招へい事業は、諸外国の優秀な研究者を招へいし、我が国の研究者との共同研究、討議、意見交換等を行う機会を提供することにより、外国人研究者の研究の進展を支援すると同時に、外国人研究者との研究協力関係を通じて、我が国の学術研究の推進及び国際化の進展を図ることを目的とした事業です。フェローシップは補助金ではなく、受け入れ機関とともに選ばれた優れた世界的な研究者にフェローの称号が授与されるとともに、その受け入れ機関を拠点に我が国の研究者との学術交流、意見交換等を提供します。

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