横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウム「ヨコハマから未来へ。#3~これからの多文化共生を考える~」を開催しました。

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12/15(金)、横浜・関内キャンパステンネー記念ホールにて、開校記念シンポジウム「ヨコハマから未来へ。#3~これからの多文化共生を考える~」を開催しました。

6月、10月に行われた第1回、第2回と連続して開催している本シンポジウム。第3回目となる今回は136名の方が参加し、当日参加の方も多くいらっしゃいました。今回は入管問題調査会代表を務める弁護士の児玉晃一氏、児童養護施設「子供の家」のケアワーカーである滝沢ジェロム氏の2名をゲストに迎え、入管問題について、メインスピーカーである本学国際文化学部富岡 幸一郎教授、国際報道ジャーナリストのロドリグ・マイヨール氏とともに討論を行いました。

日本では、在留資格のない外国人を非正規滞在者と呼んでおり、在留資格の切れたオーバーステイの外国人の対応をどう進めていくかが課題とされています。自身が非正規滞在者だった過去を持つ滝沢氏は、両親が収容施設へ連れていかれた当時の様子を「小学4年生のある日、朝起きたら家の中で両親を大人が何人も囲っていました。母に荷物をまとめてと言われたあの朝を今でも忘れていません」と振り返ります。

また、児玉氏は刑務所と入管施設の違いに触れ、刑務所だとほとんどの人は中で働けるが、入管施設は働くことすらできないと説明。コロナ禍で多くの人が体験した、何もすることがない日が続く辛さを例に、いつまで収容が続くかわからない中、スマホすら使えない環境でただ時間が過ぎることを待つだけの時間だと話しました。

「紙切れ1枚で家族はバラバラになる。なのに、修復するには相当な期間が必要。今でも父とは会えていません」と涙を浮かべた滝沢氏ですが、自身が経歴を話すことで助けを必要としている人の力になりたいと話します。2021年に発生した入管施設での衝撃的なニュースを機に、これまで以上に多くの人の関心を集めることとなった入管問題ですが、現在も多くの人が苦しんでおり、課題は山積みと言えます。児玉氏は「21世紀にはどこでもドアができているので、国境のない世界が実現できるのではないでしょうか」とユーモアを交えながら入管法の解決を願って会を閉じました。

最終回となる第4回は2024年3月15日(金)に、小説家であり僧侶を務める玄侑宗久さんをゲストに迎え開催予定です。次回も、新たな知のムーブメントにご期待ください。

関東学院大学 横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウム「ヨコハマから未来へ。#3 〜これからの多文化共生を考える〜」

PROFILE

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    富岡幸一郎
    関東学院大学国際文化学部教授。研究テーマはキリスト教神学と日本の近現代文学、思想、宗教。内村鑑三、カール・バルト、戦後文学、川端康成、三島由紀夫らを題材として著作がある。 1979年「意識の暗室 埴輪雄高と三島由紀夫」で、第22回群像新人文学賞評論部門を21歳で受賞。そのキャリアを生かし、文芸評論家としても活躍する。鎌倉在住で、神奈川近代文学館理事。
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    児玉晃一
    1994年弁護士登録。1995年から入管収容問題に取り組み。2012年と2014年に英国の収容施設・制度を視察。その活動は、佐々涼子「ボーダー 移民と難民」(集英社インターナショナル 2022)でも取り上げられた。著書に「難民判例集」(単著)、「コンメンタール出入国管理及び難民認定法2012」、「入管問題とは何か<終わらない密室の人権侵害>」(いずれも共編著)などがある。
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    滝澤ジェロム
    1999年、名古屋市生まれ。元非正規滞在者。2014年、子ども虐待防止世界会議in名古屋 ユース実行委員をはじめ、子どもの権利擁護の活動を続ける。本業の傍ら、自身の経験を元に講演活動し、多くのテレビ・新聞に出演している。2020年6月在留資格を取得する。
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    ロドリグ・マイヨール
    フランス・パリ出身。NHK勤続30年の番組ディレクター兼プロデユーサーで、新ソルボンヌ大学 コミュニケーションと情報学博士。ドキュメンタリー制作では、日本のマイノリティーにフォーカスし、多様な日本を描く。ライフワークとしては主に在留資格を持たない子どもたち、外国人労働者や 入国管理制度の課題に焦点を当て、取材と研究を重ねている。
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