12月16日(土)、横須賀美術館において、国際文化学部の学生15名と横須賀美術館ボランティアの方々10名が参加した対話型アート鑑賞会が行われました。対話型アート鑑賞は、複数の参加者がそれぞれ感じたこと、考えたことを言葉にして共有しあいながら、作品を味わっていく鑑賞法です。
今回の鑑賞会は「アート・コミュニケーション演習」の授業の一環として行われ、観察力や思考力、コミュニケーション力を高める手法として注目されている対話型アート鑑賞を、学生が横須賀美術館及び地域の方々と実践しました。学生たちは対話に参加するだけではなく、対話のファシリテーターも担いました。
当日は、学生3名とボランティアの方2名ずつのグループに分かれた後に、各グループで計3作品を約1時間半かけて鑑賞しました。学生たちは1作品ごとに交代でファシリテーターを務め、他の学生とボランティアの方々が鑑賞者となって対話鑑賞を実践。作品のタイトルやキャプションにとらわれずに、絵画を見た印象を語り合いました。描かれている人物の職業や年齢などを想像したり、その人物の視線の先にあるものを考察しながらそれぞれが意見を出し合います。何故そう思ったのか?裏にはこんなメッセージが隠されているのではないか?など、活発な議論が交わされました。参加者たちから語られる内容からは、同じ絵画を見ているのに、受け取る人によって全く異なる視点や印象を抱いていることが分かります。画家が何を考えて描いたのか、注目してもらいたいことや何を表現したかったのかなど、想像が尽きることはありませんでした。
鑑賞会の後に行われた学生と美術館の学芸員、ボランティアの方々との交流会では、今回実践された対話型アート鑑賞を振り返り、この鑑賞方法についてどう感じたかの話し合いがされました。参加したボランティアの方からは「学生さんたちが事前に作品のことをしっかりと勉強し、準備したうえで鑑賞会に臨んでいたので、進行がとてもスムーズで意見が出しやすかった」「普段は話をする機会があまりない世代の方たちのものの見方や考え方を知るとてもいい機会だった」といった感想が聞かれました。
さらに、横須賀美術館を支持し、繰り返し訪れたいと思ってくれる来館者を獲得するにはどうしたらよいか。横須賀美術館のファンを増やすために、今回実践した対話型鑑賞でどんなことができるか意見交換がされました。参加した学生からは「美術館というと、一人で静かに作品を見て回るイメージで敷居が高い印象がある。今回のように、みんなで話をしながら作品を見る鑑賞方法の周知や、実際に対話型鑑賞が体験できるイベントなどを開催することで、まずは来館してもらえるようなきっかけを提案していければ」といった意見が出されました。
今回のアート鑑賞会を企画した碓井みちこ准教授は「学生たちが美術作品や美術館に親しみ、そのうえで、観察力、傾聴力、言語化能力、批判的・論理的思考力を磨き、自分なりのものの見方や考え方を育てるきっかけにしてもらいたい」と話しました。
関東学院大学では、今後も地域の方々と連携しながら実践的な学びを深めていきます。
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