1月20日(土)、横須賀自然・人文博物館にて開催された「第7回 みんなの理科フェスティバル」に栄養学部の田﨑達明教授がワークショップの出展を行いました。「魚にすむ危険な生き物、アニサキス」という内容で、寄生虫の一種である”アニサキス”の観察を行ったり、田﨑教授からアニサキスの生態やアニサキスが寄生していた魚に関する栄養素の解説がありました。
「みんなの理科フェスティバル」は、来場者が多様な作品や活動を見聞して学びを深め、かつ発表者同士が世代を超えて交流する機会の提供を目的に、2017年より横須賀自然・人文博物館にて開催されています。第7回となった今回は、横須賀市内の小中学校や高等学校、企業や市民活動団体、大学等研究機関など80以上の出展がありました。本学から参加した栄養学部の田﨑教授は、栄養学には顕微鏡などを使用したり、生物の生態を考えたりと、理科の分野での学びも含まれるということを知ってもらうこと、魚の栄養にも興味を持ってもらうことを目的に参加しました。
当日は、日頃から研究で使用しているという電子顕微鏡を用いて、田﨑教授が用意したアニサキスを観察したほか、アニサキスの生態や人間が口にしてしまった場合について説明しました。この日用意されたアニサキスは直径3㎝ほどの幼虫。アニサキスが成虫になるためには、宿主であるクジラやイルカの体内に入る必要があり、成虫となったアニサキスの大きさは20㎝ほどの大きさになると言います。私たちが魚を食べてあたってしまうというのは、魚に寄生していたアニサキスが誤って人間の体内に入ってしまい、そこから逃げ出そうとして動いたり胃を嚙むことで生じる反応です。昔、アニサキスにあたったことがあるという来場者の方は、当時の様子を思い出し、恐る恐る顕微鏡を覗いていました。
中には、「子どもがお料理が好きで、このイベントを知った際にアニサキスを見に行きたいと言われて参加しました」といって来場する方も。顕微鏡を覗いてアニサキスの観察をすることは叶いましたが、子どもたちはスライドの説明資料に掲載されていた、体内に入ってしまった際の胃の画像やアニサキスの口の画像に衝撃を受けた様子でした。子どもたち以上に真剣に説明を聞く保護者の方は、アニサキスはサバやイカに寄生していることが多いという話を聞き、「購入した魚にアニサキスが入っていた場合も食べることができるのか」と質問する方もおり、田﨑教授から「取り除いた後に焼けば問題なく食べることはできます。特に、サバは栄養が満点なので、ぜひたくさん食べてほしい」と食事の栄養についても学びました。
また、会場ではアニサキスのスケッチをする子どももおり、アニサキスを存分に観察した様子でした。普段なかなか見ることができないアニサキスに、来場者は「自分では気づけなかったり、いるとわかると怖くて捨ててしまうので、こうして観察ができ、先生からお話が聞けてよかったです」と話し、アニサキスに対するイメージに変化があったようです。
関東学院大学は、今後も教員の研究に触れ、子どもたちの興味・関心を引き出す機会を提供していきます。
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