2023年度卒業式・学位授与式を執り行いました。

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3月24日(日)、パシフィコ横浜の国立大ホールにて2023年度卒業式・学位授与式が執り行われました。今年度は、学部卒業生2311名・大学院修了生60名の計2371名が旅立ちました。

石渡 浩司宗教主任の司式によるキリスト教の礼拝形式で執り行われ、今年度はコロナ禍以前のように混声合唱団と卒業生が讃美歌を斉唱したほか、東 卓治教授によるカレッジソングの独唱がありました。小山 嚴也学長は、「進学する人以外の皆さんにとっては、いよいよここからが本番です。実は大学で身につけたものは『教養』や『専門知』だけでなく、そうしたものの獲得方法、つまり、学び方を学んだのではないかと思うのです。いよいよここからが本番だと言いましたが、それは学びの本番なのであり、生涯にわたる真の学びがスタートすることを意味しているのです。みなさんには、この先も大いに学び、そして、社会に貢献する人になってほしい」とメッセージを送りました。

卒業生による答辞では、看護学部の戸部琴美さんが「コロナ禍に入学した私たちは、オンライン授業となり、部活動やサークルの活動にも制限がかかり、誰とも会えない時間が続きました。しかし、いま思い返すと、それらの時間を経験した私たちだからこそ、直接的な人との関わりの重要性や、人の温かさ、周囲で支えてくれている人へのありがたさを、今まで以上に感じることができたのだと思います。この先、新たな環境に身を置くこととなり、様々な問題に直面すると思いますが、ここで仲間とともに学んだ4年間を糧に、精進してまいります」などと4年間を振り返り、未来に向けて決意を新たにしました。

小山 嚴也学長 式辞(全文)

卒業生、修了生の皆さん、卒業、修了、おめでとうございます。新型コロナウイルス感染症の影響により、特に学部生の皆さんは、入学当初、期待とは全く異なる、そして、混乱した中での学生生活のスタートとなりました。しかし、そのような厳しい状況においても、学び続け、今日この日を迎えられたこと、改めて敬意を表したいと思います。また、この晴れの日を心待ちにしてこられたご家族、関係者の皆様にも、お祝いを申し上げます。そして、本学に対するこれまでの厚いご支援に対し、心より御礼申し上げます。

さて、進学する人以外の皆さんにとっては、いよいよここからが本番です。課題は教室の中ではなく、社会にあります。そして、社会にある大中小、様々な課題の解決に貢献することで人々は報酬を得ています。「はたらく」とは、傍を楽にすること。つまり、自分の周りにいる人たちの困りごと、課題を解決することが働くことであり、みなさんは4月からまさに「はたらく」ことによって報酬を得ることになります。

課題解決が「はたらく」ことだとすれば、何よりも課題を知らなければなりません。ですから、課題が存在するであろう「現場」に足を運んで、「現物」を見て、「現地」の人の話を聞いて、「現実」を知る必要があります。

ここで重要となるのが「教養」です。それは歴史や文化、英語、数学、物理など様々な領域にわたります。「教養」がなければ、課題を理解することはできないし、課題を取り巻く人々の意見や気持ちを理解することもできない。さらに言えば、課題解決のために協働する異分野の人たちとの意思疎通を図ることもできません。皆さんが学んできた「共通科目」は、まさに「教養」そのものだったのです。

課題解決に直接寄与するのが、それぞれが学んできた専門分野の知識だと言えます。しかしながら、教室で学んできた知識がそのまま適用できるほど現実は甘くありません。蓄積してきた知識や経験を組み合わせたり、活用・応用しながら、直面する課題に対して適切な判断をし、対応していかなければならない。すなわち、「知恵」を絞る必要があるのです。

こうした「教養」や「専門知」の獲得は学生時代で終わりではありません。むしろ、複雑で変化の激しいこの時代においては、これから先も「教養」や「専門知」を獲得し続けなければなりません。それなくしては「はたらく」ことはできないからです。そのように考えると、実は大学で身につけたものは「教養」や「専門知」だけでなく、そうしたものの獲得方法だったのではないのか、つまり、学び方を学んだのではないかと思うのです。いよいよここからが本番だと言いましたが、それは学びの本番なのであり、生涯にわたる真の学びがスタートすることを意味しているのです。

その上で、もう一つ。課題解決に際しては、課題に直面している人、ともに解決に携わる人などとたくさん交わることになります。年齢や立場、価値観、国籍、専門性などが異なる人たちだから、当然、ぶつかることもあるでしょう。そんな時、少しだけ寛容さを持ってほしい。自分も含めて、人は不完全な生き物です。その前提に立って、他人を受け入れる寛容さがほしい。対立からは明るい未来は生まれないからです。寛容さをもって人々と接していくということが、教養としてのキリスト教を学んできた我々の歩む道なのではないかと思うのです。

みなさんには、この先も大いに学び、そして、社会に貢献する人になってほしい。そんな豊かな人生を送ってほしい。それが「人になれ 奉仕せよ」であり、関東学院大学で学んだ者の生き方なのです。

改めて、卒業、修了おめでとう。またいつか皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

 

2024年3月24日

学長  小山 嚴也

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