3月3日(日)、「第35回 JIA神奈川 卒業設計コンクール」が横浜市庁舎にて開催され、建築・環境学部4年の荻尾明日海さん、薗田さくらさん、髙橋梨菜さんの3名が参加。神奈川県内の7大学と1専門学校より25作品が出展され、ポスターセッションやプレゼンを行いました。
卒業設計コンクールとは、公益財団法人 日本建築協会(The Japan Institute of Architects、以下JIA)が将来の建築家を目指して学業に努力してきた、その集大成である卒業設計作品について、実社会からの評価を伝えることで、今後の社会における一層の活躍を期待して実施しているコンクールです。全国の各支部で開催され、各支部の上位2名は「全国卒業設計コンクール」への応募資格を獲得します。今回の「第35回 JIA神奈川 卒業設計コンクール」では、惜しくも全国大会への出場は果たせませんでしたが、3名全員が2次審査まで通過し、髙橋さんが銅賞を受賞する結果となりました。
建築・環境学部では、2015年より「卒業設計公開発表・審査会」を学内で開催しており、金賞・銀賞・銅賞に選出された3名が、JIA神奈川が主催する卒業設計コンクールへの出展資格を獲得できます。今年度は、教員より推薦のあった13名と自己推薦による2名の計15名が発表し、教員や学生による審査の結果、荻尾さん、園田さん、髙橋さんの3名が選出されています。
卒業設計公開発表・審査会の様子
銅賞を受賞した髙橋さんが今回制作した卒業設計のコンセプトは『まちを癒やして』。きっかけとなったのは、4年次の前期に履修した「すまいデザインスタジオ」の講義でした。横浜市内の元町や石川町、山手周辺をリサーチし、まちに拓いたパブリックスペースを提案するという活動から、石川町周辺の地域に注目。石川町は特徴的な地形をしており、その地形に合わせて人々が工夫しながら生活しているということを感じたそうです。髙橋さんは、「リサーチを通して気づいた、地形の影響で湿気がたまりやすかったり、行き止まりが多いといった交通において不便な点などを“流れの不調”と定義しています。そうした少しマイナスな部分である不調を調整できる建築を設計し、人々の生活で癒しとなるようなモノをつくりたいと思い、前期の講義では考えが甘かった部分や、設計として未完成だった部分をブラッシュアップしながら設計しました」と話します。
今回の作品は、擁壁に沿って補強を行うようなイメージで建物を設計し、商店街や図書館などの公共施設など点と点の建物を繋ぐことで、回遊性を高めて交通に選択性を持たせたり、人の行動がまちへ流れて溶け込んでいけるような設計となっています。中でも苦労した点は擁壁の部分だとし、「雨が降ることで斜面を伝って水が流れてくるという性質から、それらを調節するために建物自体に保水機能のある仕組みを考えたり、ピットと呼ばれる配管を通すための地下空間を活用するなど、この地形だからこそできる提案を考えることが難しかったです」と振り返ります。
卒業後は、地元のハウスメーカーへの就職が決まっているそうで「このように賞をいただけるとは思っていなかったので、びっくりという驚きの気持ちが大きいです。普段から周りの人たちから学ぶことも多かったのですが、学外でのコンクールにも参加したことで、自分とは異なる表現方法の設計に出会う機会となり、とても刺激を受けました。就職先では、そうした経験から得たことを活かして、職場の方たちとも切磋琢磨しながら設計に向き合っていきたいです」と意気込みました。
関東学院大学は、今後も学生が横浜の地域について学びながら実践的に取り組める活動を提供していきます。
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