横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウム「ヨコハマから未来へ。#4~これからの多文化共生を考える~」を開催しました。

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3月15日(金)、横浜・関内キャンパステンネー記念ホールにて、横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウム最終回となる「ヨコハマから未来へ。#4~これからの多文化共生を考える~」を開催しました。

6月から開催してきた全4回にわたる横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウムも、最終回を迎えました。最後となる今回は、ゲストスピーカーの福島県三春町在住の僧侶であり、芥川賞作家でもある玄侑宗久氏とメインスピーカーの本学国際文化学部富岡 幸一郎教授、国際報道ジャーナリストのロドリグ・マイヨール氏の3名で公開討論を行いました。

『福島に生きる』という玄侑氏の著書をもとに、東日本大震災を振り返りました。震災直後は「被害の甚大さを見て、ちょっとやそっとじゃ復旧は難しいと感じ、仲間の僧侶たちとその場でお茶をしたことを覚えています」と話しました。また、文明の災害ともいえる福島原子力発電所の被害についても触れ、農作物の栽培では、放射線物質が土から吸収されて農作物が汚染されると考えられていた震災直後の状況を紹介。土からは放射線が吸収されないことが判明し、ハウス栽培の農作物であれば被害はないはずでしたが、当時は全ての作物が汚染されているとされ、食べることだけでなく育てることも制限されたと言います。玄侑氏は「見た目は美味しそうだし、食べると味も美味しいのは間違いないのに、その感覚を信じるなと言われてしまう。花も例年よりもきれいでした。そうした見た目など実際に感じられる感覚を信じて立ち直ることが難しかったのです」と多くの人が心に深い傷を負っていたと振り返りました。そうした経験を踏まえ、見えない恐怖と戦って得た知見を後世に残すということが大切だと話します。

また、玄侑氏の著書『むすんでひらいて』に関連し「むすんでひらいて」という言葉は、もともと“神は結ぶもの、仏は解けるもの”に由来すると考えており、解脱もその合言葉であるなどといった説明がありました。最後には参加者からいくつかの質問もあり、全4回にわたる横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウムは幕を閉じました。

今後も、関東学院大学は新たな知のムーブメントとなるシンポジウムや講演会を開催していきます。

関東学院大学 横浜・関内キャンパス開校記念シンポジウム「ヨコハマから未来へ。#4 〜これからの多文化共生を考える〜」

PROFILE

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    富岡幸一郎
    関東学院大学国際文化学部教授。研究テーマはキリスト教神学と日本の近現代文学、思想、宗教。内村鑑三、カール・バルト、戦後文学、川端康成、三島由紀夫らを題材として著作がある。 1979年「意識の暗室 埴輪雄高と三島由紀夫」で、第22回群像新人文学賞評論部門を21歳で受賞。そのキャリアを生かし、文芸評論家としても活躍する。鎌倉在住で、神奈川近代文学館理事。
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    玄侑宗久
    福島県三春町生まれ。慶応義塾大学中国文学科卒。さまざまな仕事を経験した後、京都天龍寺専門道場に入門。2001年「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞する。2008年には福聚寺第35世住職となり、2011年、東日本大震災被災青少年支援のための「たまきはる福島基金」理事長に就任する。2014年「光の山」で、平成25年度(第64回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
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    ロドリグ・マイヨール
    フランス・パリ出身。NHK勤続30年の番組ディレクター兼プロデユーサーで、新ソルボンヌ大学 コミュニケーションと情報学博士。ドキュメンタリー制作では、日本のマイノリティーにフォーカスし、多様な日本を描く。ライフワークとしては主に在留資格を持たない子どもたち、外国人労働者や 入国管理制度の課題に焦点を当て、取材と研究を重ねている。
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