2024年度入学式を執り行いました。

#2024年度 #入学式

4月2日(火)に横浜市西区のパシフィコ横浜国立大ホールにおいて、2024年度入学式が執り行われました。

石渡浩司宗教主任の司式のもとキリスト教の礼拝形式により進行され、2024年度は学部生、大学院生あわせて2,715人の新入生を本学に迎えました。

小山嚴也学長は式辞で「私たち大学の教員は研究者であり、社会の課題に向き合い、『どうなっているのか』『なぜそうなっているのか』『どうすればいいのか』と日々問い続けています。すなわち、答えを得るための正しい方法と作法を伝授すること、答えを得るための手がかりとしての理論やモデルを伝授すること、そして課題とそれを取り巻く他者や自己を理解するための手がかりとしての教養を伝授すること、これが私たちの仕事です。ですから、研究者である先生方を存分に『利用』してほしいと思います」とこれから大学で学びを深める新入生へメッセージを送りました。

小山嚴也学長 式辞(全文)

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。関東学院大学教職員を代表いたしまして、皆さんを心より歓迎いたします。また、ご家族や関係者のみなさまにも、お祝いを申し上げます。

今日から皆さんは大人たる学生になります。生徒ではありません。今日から自分のことを生徒と言ってはいけない。学生という自覚を持たなければならない。

学校教育法の中でも、中学生、高校生には生徒、大学生には学生という呼称が用いられており、その意味でも今日から皆さんは学生です。高校4年生でも、高校8年生でもないのです。

そもそも、生徒は未熟な子供であり、大人の言うことに従いながら生きる存在です。だから、大人から勉め強いられる「勉強」をしてきたわけです。大人たる学生は、自ら問いを立て、その問いを明らかにするため学び、学びの中からまた新たな問いを見出し、さらに学んでいくという「学問」にいそしむ能動的・自律的な存在です。つまり、皆さんは今日からそうした存在になるのです。

学問とは自ら問いを立て、その問いを明らかにすることだと言いました。問いには3つのタイプがあります。「どうなっているのか」、「なぜそうなっているのか」、「どうすればいいのか」という3つです。

1つ目の「どうなっているのか」という問いに答えるためには精度の高い情報を得る必要があります。そのためには、正しい情報収集の方法とその情報を取り扱う作法をマスターすることが大切です。さらに、実際に課題が存在する現場に足を運んで、現物を見て、現地の人の話を聞いて、リアルな現実を知ることも重要です。どちらが欠けても、第1の問いに答えることはできません。

2つ目の「なぜそうなっているのか」は、原因をさぐる問いです。しかし、この問いに答えるのは簡単ではありません。また、そもそもこの問いには正解があるわけでもありません。ひたすら考えるしかない。大学での学びの大半はこの問いに対する答えを探すことに費やされます。

3つ目の「どうすればいいのか」という問いに答えるためには、それぞれの学部や研究科で学ぶ専門領域の知見が必要となります。しかしながら、この問いは、どのような態度・姿勢でそれに取り組むべきなのかという、自分自身を顧みる、自分自身のあり方を問うものでもあります。つまり、第3の問いは専門性と人間性にかかわる問いだといえるのです。

私たち大学の教員は研究者であり、社会の課題に向き合い、「どうなっているのか」「なぜそうなっているのか」「どうすればいいのか」と日々問い続けています。そして、研究のプロとして獲得してきた知を学生の皆さんに還元しています。すなわち、答えを得るための正しい方法と作法を伝授すること、答えを得るための手がかりとしての理論やモデルを伝授すること、そして課題とそれを取り巻く他者や自己を理解するための手がかりとしての教養を伝授すること、これが私たちの仕事です。ですから、研究者である先生方を存分に「利用」してほしいと思います。

おそらく大学の講義や演習、実験、実習で扱われる内容について、皆さんは難しいと感じるはずです。しかし、そこで扱われているのは問いに答えるために必要な方法や作法、理論やモデル、教養のいずれかです。先生方がそれらのうちのどれについて語っているのかを意識することが理解への第一歩となります。何事であれ、物事を習得するにはそれなりの努力と時間が必要です。学問とはそういうものだと覚悟を決めて、将来、社会にある様々な課題に立ち向かうために、この関東学院大学で問い学び、学び問うてください。

関東学院大学という場ですごす時間が実りあるものになるよう、教職員一同、全力でサポートしていきますので、どうぞ皆さんも、あせらず、半歩ずつでいいので、前に進んでいってください。

皆さんが卒業・修了される時の満ち足りた顔を楽しみにしつつ、学長式辞といたします。

 

2024年4月2日
学長  小山 嚴也

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