建築・環境学部粕谷研究室の学生7名が、福井県越前市で旧武生信用金庫の店舗再利用のためのワークショップを行いました。

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3月22日(金)~24日(日)の3日間、建築・環境学部粕谷研究室の学生7名が、福井県越前市でワークショップを行いました。

今回のワークショップは、伝統工芸品である越前打刃物を扱うキリン刃物株式会社が所有する旧武生信用金庫の店舗を、伝統工芸の歴史等を伝えるための市民に開かれた活動拠点として利用できるようにすることを目的に実施しました。越前市で地域おこし協力隊として活動する髙本さんと粕谷 淳司教授の繋がりで、福井県越前市役所(ブランド戦略課)から昨年10月末頃に依頼があり、昨年12月に現地で事前調査を行い、どのように改修すると多くの人に利用してもらえるかを検討。限られた予算と準備期間の中で、室内の一部にシンプルな「板の間」だけを作り、家具をレイアウトするというインテリアを構成しようと考えました。関東学院大学粕谷研究室の他にも地元越前市の武生商工高校都市・建築科の橋本教諭、桐たんすの製造を行う佐々木桐たんすの職人や越前和紙を扱う山崎吉左衛門紙業、有限会社小畑製紙所※、越前市の建材メーカーである中西木材株式会社などが技術指導・材料提供に協力し、3月に越前市を訪問した際には武生商工高校の高校生と作業を行いました。

※有限会社小畑製紙所は関東学院大学の卒業証書を制作している企業でもあり、透かし技術が特徴です。偶然にも今回のプロジェクトでご協力いただく形となりました。

学生たちが今回取り組んだのは、板の間とそこへ配置するテーブルや椅子などの家具、広い空間を分割するためのパーテーションといったインテリアのデザインと制作。全体の作図とインテリアCG作成はリュウジョンフンさん(建築学専攻前期博士課程2年)が手がけました。

板の間では、中西木材株式会社で余ってしまい売り物にならない不良在庫品のフローリング材21種を用いて、混ぜ張りの床面デザインを行いました。また、空間の間仕切りとして粕谷研究室が取り組んでいるKoyartを利用することを提案。博士前期課程1年の荻尾明日海さんが昨年デザインしたKoyart「みうらスクリーン」を、越前市の伝統工芸品の一つである、和紙を利用した紙丁番を施したものへ改良を行いました。荻尾さんは「寸法や角度も作るという視点で考えるとこれまでの設計ではできないということを職人の方から教わりました。自分で描いた図面を他の人に作ってもらうという経験が初めてだったので、形にするための図面を描いて説明するということを学ぶ貴重な機会になりました」と振り返ります。

今回のワークショップでは、桐たんす職人の方から学んだ「蟻継ぎ」と呼ばれる日本の伝統的な接合方法で四角いスツールを作ったことに加え、織物工場で使用する繊維を使い切ったあとに出る紙管の廃材と、建築・環境学部に新しく導入された「ShopBot」と呼ばれるCNC加工機で事前に製作した円形の座面を組み合わせた子ども用のスツールもデザインし、武生商工高校の高校生たちと組み立てました。

複数の伝統工芸品の職人さんや地元の高校生と協力して制作を行った空間の完成に「建築に関わっていない人にも、どういう木が使われているのかなど興味を持ってもらえるようなデザインになっていると思います。ワークショップの空間として利用するだけでなく、そうした空間の特徴が伝わると嬉しいです」と荻尾さんはこれから活用される空間へ期待を込めました。

関東学院大学は、今後も学生が学生ならではの視点で知識やアイディアを地域に還元できる機会を提供していきます。

完成したコミュニティスペース

越前市 山田市長との記念写真

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