「ことばが変われば社会が変わる!」経営学部の中村桃子教授が新刊記念ライブトークイベントを開催しました。

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7月20日(土)、紀伊國屋書店 新宿本店アカデミック・ラウンジにて経営学部の中村桃子教授によるライブトーク『ことばが変われば社会が変わる!』を開催しました。

中村教授の研究テーマはことばとジェンダー。「ボク」を使っていた男の子が「オレ」といい始めるのは、どうしてなのか。中学生の女子が「オマエ、勉強しろよ」と男言葉を使うのは、どうしてなのか。言葉の使い方とジェンダーについて研究しています。今回は『ことばが変われば社会が変わる』(ちくまプリマー新書)の刊行を記念して、トークイベントを開催しました。著者の中村教授と担当編集者の筑摩書房 方便凌氏が、本書にまつわるエピソードやことばと社会の関係についてお話ししました。

『ことばが変われば社会が変わる!』の出版に至るまでの経緯について方便氏は、「ネットで新刊情報をチェックしている時に、すごいタイトルの本があると思って読んだのが中村教授の『新敬語「マジヤバイっす」 社会言語学の視点から』。ここで書かれていた「そうっすね」「マジっすか」など、ヤンキー、体育会系の若者ことばと言われる「っす」言葉は、自身の世代ではとても身近に使われていて、それが言語学や社会との関係を考えることに繋がるという視点がこれまでにないもので面白かった。それをきっかけに2021年発刊の『「自分らしさ」と日本語』の執筆を中村教授に依頼しました」と話します。この書籍は、ことばの背後にある社会の規範や価値観を解きあかす社会言語学の知見から、「名前」「呼称」「敬語」「方言」「女ことば」といった観点を通して、ことばで「自分」を表現するとはどういうことかが書かれている社会言語学の入門書の位置づけとなるもので、それが評判を呼び、筑摩書房からの第2弾となる今回の『ことばが変われば社会が変わる!』の出版に繋がったそうです。

『ことばが変われば社会が変わる!』は、1.日本社会を変えた言葉の代表例である“セクハラ”という言葉について、2.社会変化の最先端から誕生する流行語の例から、大人女子、女子会などとして使われている”女子“という言葉について、3.時代が変わっても変えにくい言葉”パートナーの呼称“について、をテーマに書かれています。今回のイベントでは、来場者にQRコードからアンケートに回答していただき、その集計結果に中村教授が応えるインタラクティブな進行がなされ、会場にいる全員でそれぞれのテーマについて考えました。アンケートでは「セクハラという言葉がどのように日本に普及したか知っていますか?」「女子という言葉が最近よく使用されていますが、女性と比べてどんな印象を持ちますか?」「あなたは人のパートナーを呼ぶときにどのように呼んだらいいか困ったことがありますか?」等の質問が投げかけられました。特に来場者の関心が深かったのはパートナーの呼称について。社会が変化しジェンダーレスが叫ばれるようになった昨今、従来から使用されている“主人”“嫁”“旦那”“奥様”といった言葉は家父長制のイメージが強く現代の価値観にはそぐわないという意見が多くありました。中村教授は「唯一のパートナーの呼び名を決めてしまう程つまらないことはない。何故ならば、唯一の正しいパートナー関係の形を決めてしまうことになるからです。今の社会は多様性に満ちていて、いろいろな形の関係があります。いろいろな言葉があって、その時々で選んで使えばいいのです。それが受け入れられる社会が素敵だと思います」と語りました。中村教授の話の勢いが増してくると、方便氏から「ネタバレ注意」といさめられる場面もあり、終始和やかにイベントは進行され、これから今回の新刊を読むという来場者の方々はより関心を膨らませている様子が見受けられました。

今後も関東学院大学は研究成果を社会に繋げる活動を積極的に進めていきます。

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