人間共生学部共生デザイン学科の学生らが3年次に履修するプロジェクト科目の一環で、茅ヶ崎市内で有機農業を営むChigasaki Organic Farmおよび同市内の熊澤酒造株式会社が湘南の食文化の拠点として展開するmokichi cafeと協働し、有機野菜を使用したカフェメニューの開発および”食を通して農園と消費者をつなげるデザイン”を考案しました。学生らは4月より、農園とカフェ双方の現地調査を経て、それぞれの世界観を構成する色味や音、香り、顧客の特徴などのビジュアルイメージを制作。双方のブランドイメージへの理解を深めたのち、4チームに分かれてのメニュー開発および”食べる”という体験を通して農園と消費者をつなげる”コトのデザイン”の実現を目指し検討を重ねてきました。
6月にはプレゼンによる二度の審査が行われ、ついに最優秀チームが決定。7月20日(土)には最優秀チームの考案したメニューやデザイン提案を実現させ、mokichi cafe主催の「はたけとつながるカフェ」にてお披露目しました。当日は、mokichi cafeマネージャーの酒井氏、食のデザイン・ディレクションなどを手掛ける株式会社ボンドより代表取締役社長 市川氏らが参加しました。
最優秀チーム(同学科3年櫻井 南歩さん、鈴木 桃佳さん、中山 実咲さん、深谷 歩未さん)が考案したのは、生産農家が少なく希少価値の高い”三州生姜”の爽やかな辛味を活かした「三州生姜香る カレーホットサンド」。”食べる”ことをきっかけに農園を知ってもらうための仕掛けとして、ホットサンドの提供時に商品を包むワックスペーパーをデザイン・制作しました。
同チームの学生らはこれまでを振り返り「最優秀賞に選ばれると思っていなかったので、実現できてとても嬉しいです。ワックスペーパーのデザインというアイディアに至るまで、どのような仕掛けがあれば農園と消費者をつなげられるのか、何をデザインすれば消費者に農園を知ってもらえるのか、かなり頭を悩ませていました。そんな中で二度目の現地調査へ伺った際に、農園主の二宮さんが”農園の実際の空気や雰囲気をもっと知ってほしい”と仰っていたことをヒントにし、ワックスペーパーに有機野菜のイラストと農園のInstagramのQRコードを掲載し、この一食からInstagramを通して農園を知ってもらうという仕組みにしました」と話し、商品についても「三州生姜は、すりおろした生姜とスライスした生姜を両方使用することで、辛さのアクセントや食感が際立つよう工夫しました。また、将来的にmokichi cafeで提供されている蔵元カレーをアレンジして使用することで、1つの商品を通してカフェと三州生姜をコラボさせられたら」と充実した表情で語りました。
最優秀チームの提案に対し、mokichi cafeの酒井氏は「ワックスペーパーは、ホットサンドの商品パッケージとして良いですね。まさに、農園と消費者、そしてカフェをつなげるデザインだと思います」と述べ、Chigasaki Organic Farmの農園主である二宮氏も「農園で私が伝えたリクエストがワックスペーパーのデザインにきちんと落とし込まれていると思います」と講評を述べました。
プロジェクトを終え、惜しくも最優秀賞を逃した同学科3年の齋藤 彩乃さんは「実際に農園へお伺いし、農園主である二宮さんの日々の苦労や生産している三州生姜に対する想いを伺うという経験は、インターネットや文献調査では得られないものがありました。実際にその現場へ行きお話を聞くことの大切さを学びました」と明るい表情で語りました。
最後に、プロジェクト科目の担当教員である共生デザイン学科の神野 由紀教授は「”食を通して農園と消費者をつなげるデザイン”という課題は、そもそも何をデザインの対象とするのかを検討しなければならず、非常に難易度が高かったと思います。ですがどのチームも、授業以外の時間を捻出してチームのメンバーと議論したり、自ら現地へ出向きヒアリングをしたりと、短い期間でよく提案をまとめあげたと思います。自ら社会へ出て、人とかかわり考えることがプロジェクト科目の意義です。この経験をぜひ、今後の就職活動や将来に活かしてください」と締めくくり、学生らにエールを送りました。
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