9/2に神奈川大学で行われた、公益財団法人電気化学会 関東支部主催「第42回夏の学校」で、今年も理工学部の友野研究室に所属する大川 諒輔さん(工学研究科修士2年)、佐々木 涼さん(同研究科修士1年)が優秀ポスター賞を受賞しました。本学学生の優秀ポスター賞の受賞は、昨年に続いて2年連続となりました。「夏の学校」は、電気化学を学ぶ関東近郊の学生が集い、電気化学分野の最先端の研究・キャリアパスへの理解を深めることや、学生同士の交流を目的として毎年開催されています。同イベントでは、専門家2名による特別講演と参加学生によるポスターセッションを実施。大川さん、佐々木さんは発表した37名のうち、上位5名に選ばれ同学会から優秀ポスター賞が贈られました。
同研究室は主に、層状マンガン酸化物の層の間に機能性物質(例えば、⾦属錯体)を挿⼊し、層状化合物と層間イオンの性質を併せもつ薄膜を創ることで協奏的な電気化学的特性の変化について研究しています。例えるならバンズに挟む具材が変わると、ハンバーガーのカロリーや味が変化するのと同じように、バンズとなる層状マンガン酸化物の間に具材として様々な性質をもつイオンや分⼦を挟むことで、ハンバーガー全体=層状化合物に理想とする特性を付与する研究です。
左から佐々木さん、友野准教授、大川さん
大川さんの研究テーマは「層間金属錯体の系統的変更による層状MnO2薄膜の電気化学特性の評価」。学部生の頃、生活に必要不可欠な”蓄電装置”に興味をもった大川さんは、層の間に様々な金属錯体を挿入した”層状マンガン酸化物キャパシタ電極”を作製し、これまでの研究成果の中で最も高い蓄電容量を得ることに成功。ポスター発表では、研究のメカニズムが誰にでも伝わるような言葉選びを心がけたという大川さん。これまでの研究を振り返り「キャパシタ電極は、充電器などに広く使用されるリチウムイオンバッテリーと比べ、充電・放電のスピードが速いため、実用化できれば充電にかかる時間を大幅に短縮できる可能性を秘めています」と熱心に語りました。
佐々木さんの研究テーマは「金属錯体を層間イオンとする層状マンガン酸化物を用いた水素生成メカニズム」。層状マンガン酸化物に光を当て、その層の間に挿入した金属錯体を活性化させることで、水素を生成する研究を手がけています。その結果、従来の水の電気分解による水素生成よりも、低エネルギーでの生成を実現。ポスター発表に向けては、参加者に研究のポイントが一目で伝わるようポスターのレイアウトを工夫したという佐々木さん。今後の研究活動については「層状マンガン酸化物の層を何層にも増やしたり、層の順番を入れ替えたりと、様々なパターンで水素生成を検証する予定です。現在は、高価な希少金属を用いて水素を生成することが一般的ですが、安価かつ埋蔵量の多いマンガンによる水素生成が実用化できれば、炭素循環社会の実現に貢献できると考えています」と意欲的に語りました。
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