10月21日(月)、「材料力学Ⅱ」を履修する理工学部先進機械コースの2年生が日本工業検査株式会社にご協力いただき、非破壊検査の検査技術を体験しました。
「材料力学Ⅱ」では、機械や構造物を設計するうえで重要な安全性や機能性について理解を深めるため、材料の変形や破損、強度を中心に学びます。そこで、材料の破損がどのように検査されているのかを知るため、日本工業検査株式会社が実際に使用している検査器具を大学にご用意いただき、検査試験の体験を行うこととなりました。日本工業検査株式会社は、主に非破壊検査と呼ばれる検査対象を壊さずに傷や欠陥を見つける検査やその検査方法の研究を行っています。プラントと呼ばれる生産設備や遊園地などにおいて必須の検査技術であり、日々検査を行い、様々な場所で私たちの安全を保っています。
冒頭、日本工業検査株式会社の会社概要や非破壊検査に関する説明を受けた後、4グループに分かれ、社員の方から検査試験の手順や道具の扱い方を学びました。今回、学生が体験したのは、内部の欠陥を見つける超音波探傷試験(UT)、表面の欠陥を見つける磁粉探傷試験(MT)と浸透探傷試験(PT)、渦電流探傷試験(ET)という4種類の試験方法です。それぞれ、超音波、毛細管現象や磁気、電磁誘導といった高校までに学習した知識を応用しているものであり、そうした現象が実際どのように活用されているのかを体験する機会となりました。
試験を行うと、たとえばETでは欠陥がある場合は波形が現れるなど何かしらの反応がありますが、社員の方からは「反応がないからといって傷がないわけではありません。やり方が間違っていると傷を見逃す可能性もあります」と説明がありました。配管やタンクなどにある小さなき裂を見逃せば、破裂がおきるため、うまく検出できないと大きな事故につながる可能性もあるとし、学生たちは緻密な作業一つに、そうした責任が伴うのだと実感している様子でした。
また、担当教員より超音波探傷試験は新幹線の線路の検査にも採用されていると説明があり、学生は「自分の家のすぐ隣が新幹線の線路で、たまに騒音に関するお知らせ文が届くことがありました。実際に音が聞こえるなと気になることもあったのですが、安全性を保つための検査だったということが分かりました。今日の講義を受けて、大きな音が出ないような検査方法を生み出すということもできるのかと感じました」と、私たちの身近なところで技術が使われていることを知り、これからどのような可能性があるのかについて考えるきかっけとなりました。
今後も、関東学院大学は様々な企業と連携し、学生たちの進路選びの参考となるような講義を展開していきます。
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