人間共生学部共生デザイン学科の学生が100円ショップ『DAISO』のプロダクトデザインに挑戦し、収納グッズの新商品開発に取り組みました。この取り組みは、『デザインプロデュース演習』の授業の一環として行われたもので、本学卒業生である株式会社大創産業グローバル製造本部の佐藤延哉氏からの声がけにより実現。学生たちは講義内で、生活するうえで収納で困っていることについて意見交換を実施し、そこでの意見を踏まえて閃いたアイデアを形にしていきます。自分が欲しいからという理由でメイク用品の収納ケースのデザインに取組む学生や、他の学生の困りごとを解決できる商品を作りたいという理由でティッシュケースを題材に検討を進める学生など、アイデアは多岐にわたります。 学生たちの提案が商品化のレベルに達していなければ、全てが不採用になる可能性もあると知らされた中で、自分の考えた商品が店頭に並ぶことを想像し、真剣に取り組んでいきます。
11月29日(金)には中間発表が行われ、DAISOグローバルデザイン課のプロダクトデザインチームを中心とする6名が来校。学生たちは1対1で自分で考えた商品についてプレゼンを行いました。DAISO担当者からは「どのような材料を使う想定でいるのか?」「このデザインと材料では100円での販売は難しい」「似たような商品は他社でも扱っているためもっとオリジナリティが欲しい」など鋭いフィードバックが飛び交います。また「今の形では積み重ねることが難しく輸送コストがかかってしまう。空気を運送するようなものでコストが見合わない」といった指摘もあり、学生たちは使いやすさといったデザイン的なことだけでなく、ビジネス的な側面も考え企画を組み立てなければならないという新たな気づきを得た様子。なかにはプレゼンでのフィードバックを受け、その場で修正版を制作する学生もおり、現場の方の意見をどのように商品に反映できるか試行錯誤する姿が見受けられました。中間発表での厳しい結果に、学生たちは実際に商品化されるまでの壁の高さを実感した様子でした。
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中間発表後にはDAISO側から、商品化が難しい理由や、課題となる点などを検証した資料等も提示いただき、そういった結果を受けて最終プレゼンに向け、提案内容を刷新。1月24日(金)の最終プレゼンではブラッシュアップした企画が提案されました。最終プレゼンにはDAISOプロダクトデザインチームメンバーにくわえてバイヤーも同席。取引先との商談さながらの体制で学生たちの発表に耳を傾けます。学生たちは、市場にある類似商品との差別化のポイントや心理学の観点から検証した視点を加えるなど、発表内容にも工夫を凝らしました。それぞれの発表後には、学生たちの試作模型を手にしながら熱い議論が交わされ、投げかけられた質問に対して真摯に応える学生の姿がありました。
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八坂琉奈さん(共生デザイン学科3年)は使用していないハンガーを収納する『ハンガーぼっくす』を提案。異なる形状のものを一緒に収納でき、かつ、隠してキレイに見せることができるラックを考案し、プレゼンに臨みました。「とても緊張していますが、家族を相手に何度も練習を重ね想定問答などの準備も万全です」と発表前の意気込みを語っていた八坂さん。プレゼンを終えた後には「実際に商品化を見据えて着目する部分が、自分たちの視点とは異なっていると実感しました。お客様目線が捉えきれていなかったと思います。万全に準備していたつもりでもまだ足りなかった」と話します。答えを準備していた質問を投げかけられた時も緊張で受け流してしまい、担当の佐々教授から「なぜ準備してあるのに答えないのか」と厳しい指導が入る場面もありました。高さがバラバラなメイク道具を均一の高さで収納できる『ハイロースタンド』は、メイク道具がとりやすくなり、朝のメイク時間を短縮できるアイテム。この提案をした氏家優凛さん(同学科3年)は「これまでに授業などで制作してきた他の作品と比べて、今回の作品の仕上がりには自信をもっています」といいます。氏家さんの提案に対しては「商品化に向けて前向きに検討したい」と好評で、関東学院大学発のDAISO商品誕生への期待が膨らみます。
DAISO担当者は「今回の提案は学生ならではの視点もあり、自分たちにとっても勉強になりました。実際に商品化に至るまでにはここから多くのプロセスがあり、その中でリアルな検証をしていくことになります。そこで、商品化できるものとできないものは当然出てきます。私たち社員が作ったものでもほぼ商品化されないくらい厳しいのが現状。しかし、今回取り組んだ“ここが困っているだろう”という着眼点を探す行為が、新しいものを創出することに繋がっていきます。この経験を生かし、今後も様々な発想を広げていってもらいたい」と学生たちの今後に期待を寄せました。
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関東学院大学は今後も企業と連携し、さまざまな課題解決に取り組んでいきます。
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