バレンタインデーの歴史とその背景にあるストーリーを紐解く『Valentine’s Day Academy』が開催されました。

#Valentine’s Day #愛を誓う日 #チョコレート

2/14(金)、横浜・関内キャンパスB1F Bacon Books&cafeにて大学宗教主事の髙井啓介教授と小山嚴也学長による『Valentine’s Day Academy』を開催しました。バレンタインデーの歴史とその背景にある興味深いストーリーをお二人が語ってくれました。

髙井教授は「バレンタインデーの起源は、自由恋愛が無かった時代に男女の出会いの機会となっていたイベントで、キリスト教がそのイベントから性的な要素を排除するためにルペルカリア祭と聖ウァレンティヌスの伝説を結び付けたことに始まる」と話します。ローマ時代、若い男女が集まって戯れ合うルペルカリア祭という行事がありました。キリスト教が国教となった以降も続く人気のある祭りでしたが、キリスト教は風紀の乱れを招くとしてこの祭りを禁止します。そして、若者の反発を避けるために2月14日に殉教した聖ウァレンティヌスの伝説を結び付けて「愛を誓う日」という名目でキリスト教の祝日としました。その後の長い歴史の中で、2月14日が恋人たちの日として確立していきます。
その後、バレンタインデーが“愛のメッセージを伝える日”としてロマンスと結びつけられたのは、中世のヨーロッパで恋愛歌や民衆的な歌を歌いながら諸国を遍歴した吟遊詩人によると髙井教授は考察します。14 世紀の英国の詩人ジェフリー・チョーサーの詩「Parlement of Foules(鳥たちの集い)」(1383 年)には、バレンタインデーが恋人たちにとって特別な日であるという考え方のイギリスにおける最も古い時代の言及があります。

For this was on Saint Valentine’s day,
When every fowl comes there his mate to take,
というのは、これは聖バレンタインの日だったから。
その日にはすべての鳥たちが配偶者を見つけるためにそこに来る。

このように、吟遊詩人らが詩の歌詞にのせて謳ったことで、バレンタインデーが愛のメッセージを伝える日としてイタリア・ローマからフランス、イギリスへと広まりました。
日本のバレンタインデーの起源は、 1935(昭和 10)年に「モロゾフ」が、英字新聞『ジャパン・ アドバタイザー』にバレンタインギ フトを啓蒙する広告を掲載したのが最初で、「あなたのバレンタイン(愛しい方)にモロゾフのファンシー・ボックス・チョコレートを贈りましょう」というメッセージでチョコレートを販売したことに始まります。当日の資料には、当時の広告や新聞記事などが提示され、いくつもの菓子メーカーやデパート、スーパーなどが連携し、バレンタインデー商戦を企画したことがわかります。その裏には小売業の閑散期であるこの時期を盛り上げたいという魂胆があったそうです。昭和 40 年ころには、チョコレートを渡して好意を伝えるという現在に繋がるイベントとして定着しました。なお、3月14日のホワイトデーは日本発祥のイベントで、日本と一部アジアに広まった独特の習慣です。また、韓国では4月14日はブラックデーと呼ばれ、バレンタインデーやホワイトデーにカップル達がチョコレートやキャンディーを贈り合うのを見て、心が真っ黒になってしまったソロたちのために作られたイベントで、黒い服を着て集まり、皆で黒い食べ物(ジャージャー麵)を食べるのだそう。

髙井教授は、「日本に古来からある贈答文化にマッチして、バレンタインデーは日本に定着したのだと思います。コミュニケーションのきっかけにもなるイベントを是非楽しんで欲しい」と語ります。また、小山学長は「昨今は義理チョコ文化もなくなってきていると言われますが、こういったイベントをきっかけに、普段はなかなか口に出して言う機会がない感謝の気持ちを伝えるのもいいのでは」と話しました。

関東学院大学 横浜・関内キャンパスのB1F Bacon Books&cafeの店内には、このカフェの名前をそこからちなんだ英国の哲学者フランシス・ ベーコンの言葉「知は力なり(scientia est potentia)」が掲げられています。人間という種の営みを客観的に捉え、記述し、批評的に思考する人文的知の意義を、あらためてブックカフェという開かれた形で問い直していければという思いを私たちはこの言葉に込めています。「知」を発信するこの場所で食事とお酒を楽しみながら、参加者たちは『愛を誓う日』のストーリーに耳を傾け、寒さが厳しいこの季節に心温まる夜を過ごしました。

トピックスについての
お問い合わせ

関東学院大学 広報課
住所 〒236-8501 横浜市金沢区六浦東1-50-1
TEL:045-786-7049
FAX:045-786-7862
E-mail:kouhou@kanto-gakuin.ac.jp